No.362 『傾斜を殺すアプローチ』
9/8 更新
上げたければフェースを開く?
アプローチとバンカーショットのレッスンで、同じようにフェースを「閉じたり開いたり」という表現があります。どちらもSWで打つ場合、ボールを高く上げたければ「開く」し、低く出したければ「閉じる」というように、単純に2通りのフェースの使い方をすればいいのでしょうか。SWの開き方と閉じ方、そしてその状況を教えてください。
(神奈川県・36歳)
傾斜に従うか、傾斜を殺すか
単純な過ちは単純な手段で正せる。10球の練習球あれば十分。20球は要らない。複雑化した過ち正すは簡単じゃない。根気も要れば時間も要るし、何よりも丁寧さが必要とされる。
過去の論は何が単純で何が複雑なのかを見極める事ができずにいたと思う。複雑化した過ちを単純な過ちと見誤りし事は多い。故に絡み合った糸を正すのに根気と丁寧さを投入する事が出来ず、指導者も遂には投げ出していたようだ。理論の不足が原因と思われる。
貴兄が問うクラブフェースの「開く」と「閉じる」打ち方であるが、勘で打つアプローチならば「開く」と「閉じる」で間違いはない。利き腕主体の打ち方であれば正解。ただ、ストロークの大きさで打つアプローチならば、開いたままでも低いボールは出るし、閉じたクラブフェースでも高いボールは出ます。
私は開いたクラブフェースで低いボールを出し、浮いて少し転がった後にクッと止まる打ち方を今般のバンプラ合宿から進化論塾生に教えていますが、硬いライ、硬いグリーンの時は有効。特に傾斜の強いピン位置に対しては有効なる打ち方です。普通の転がし手段であれば、2メートル、3メートルと切れて行く傾斜の時、30センチ曲がりの読み筋で打てて行けるのであるから確かに有利ではある。
曲がるラインを曲げずに打てるはアプローチ技術。パッティングでは曲がるラインを曲げずに打つには強く打つしかないが、アプローチではピンに合った距離で曲げずに打つ打ち方はあります。クラブフェースを開き、ストロークで距離を作り、低く出してクッと止める打ち方。1メートルの曲がり様であればストレートに打てる。
貴兄は一つの打ち方を知っている。それは傾斜に素直な打ち方。もう一つの打ち方を覚えればよいと思う。それは傾斜を殺して行く打ち方だ。
進化論合宿ではショートスウィングの完成度によって15級から5段までの段級位を渡しています。15級から初段までは徹底的なるスウィングの基本型作り。2段からは実戦に必要とされる技術指導。やはりスウィング基本型が出来ていないと高い技術指導は難しいものです。上達に順番はあります。ショートスウィング型作りで我論、我流を正すは必要。
進化論合宿の自慢は第一に6アイアンの飛距離20ヤード増しであり、ドライバー飛距離30ヤード増しである。方向は飛距離作った後について来りゃいい。飛距離生むにはクラブヘッドの芯での球捕らが必要。クラブフェースの先っぽやヒール寄り、上っ面、リーディングエッジで打ってたんじゃ望む飛距離は得られまい。まずはクラベヘッド弧作りが最優先事項となりましょう。
貴兄の持つ一つの打ち方であれば、勘でクラブフェースを開いたり閉じたりして行けばよい。インパクト勘で打つアプローチ、勘で開き、勘で閉じるが基本。
状況を知るには経験が要る。経験から知恵は生まれるものだ。一度の経験で生まれし知恵は100の経験で一つの知恵も生まれないゴルフに勝る。才能とは少なき経験から生まれ得る知恵を指すと思う。経験ありて生まれる知恵なしではハンディ12まで行くが精一杯ではなかろうか。
貴兄は進化論合宿に参加された方がよい。進化論合宿は知恵を与える合宿である。貴兄のヘッド弧を変えることは出来る。飛距離を変えて行く事は出来る。合宿参加を目指されては如何。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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