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ゴルフ野性塾SP

No.365 『バックスウィングの速さは』 9/29 更新


なぜ飛距離が伸びないのでしょう

デカヘッドや高反発系などドライバーの進化により、世間一般的には飛距離が伸びているようです。しかし、私の飛距離は伸びていません。クラブに合った打ち方ができていないからなのか、練習不足で上達していないからなのか。飛距離を伸ばすことのできない私へワンヒントお願いします。

(埼玉県・43歳)


力を入れなきゃ飛びません

photo 飛距離は正確なヘッド軌道とヘッドスピードから生まれるものです。軌道とスピードが飛距離の源。貴兄は飛ばしたい。であるならば軌道とスピードがいる。

飛距離伸ばす方法は幾つかある。私は7つの方法を見つけた。飛ばしの7カ条とでも申すべき方法論です。その7つの方法を試み、自分に合った方法を選べばよい。本稿では一つの方法だけを述べます。

バックスウィングのスピードを現在の倍の速さにしてください。過去の論はバックスウィングはゆっくり上げて、と教えた。ゆっくりと上げて、力みが生じ、体全体の動きのアンバランスが生じ、一気にダウンスウィングへ移行するが為の十分なるスウィング型が作れず、正しいヘッド軌道とヘッドスピードが作れずにいたのです。

ゆっくりと上げて、は手打ちの方にだけ適応するバックスウィングであって、総てのスウィングに適う助言ではありません。どれだけ速くバックスウィングを上げていっても、ダウンスウィングのスピードはバックスウィングスピードを上回るものだ。この事は重要であるから覚えておいて欲しい。

トップからダウンスウィングに移行する時、ここのタイミングがズレるとボールは曲がるし、飛距離も出ないは必然。ダウンスウィング途中でそのズレは修正できない。ゆっくりとしたバックスウィングはシャフトの短いクラブには適応するがドライバーの長さには不適合。

30年ほど前、ニクラスのサンドウェッジとドライバーのスウィング比較がテレビ画面でなされた。同じコマ数であった。ゴルフ理論に疎い解説者は同じスピード、同じタイミングで振っているのですネ、と論じた。

違う。サンドウェッジとドライバーのシャフトの長さに気付いていなかった。トップ位置、フィニッシュ位置、ドライバーの方がサンドウェッジよりも遠い位置にある。体の動かし方もドライバーの方が大きい。それでいてコマ数が同じとゆう事はドライバーを速く振っている事に他ならぬ。打ち始めから打ち終わりだけのコマ数同じだから同じスピード、同じ球捕らえのタイミングと論ずるのは理論的でない。それを理論としたところに無理があったのに誰も気付いてはいなかった。

ゴルフ雑誌も同じ論を展開した。戸惑ったのはゴルフ番組を眺め、ゴルフ雑誌を読んだゴルファー達。サンドウェッジとドライバーとではスウィングスピードは違う。今であれば誰にでも分かる。同じコマ数で振り抜けていたとゆう事はスウィングの大きさが異なる分、大きいスウィングの方が速く振られている証しでしょう。30年前このような理にして理にあらず、の論がゴルフ界を跋扈していたのです。

photo 特にダウンスウィングのスピードが違う。シャフトの長さが異なるので遠心力が異なるは当然。ニクラスはドライバーもサンドウェッジも同じスウィングスピードで打つ、と論じた論はゴリ押しであり、理論語りの理論知らずであったと思う。

バックスウィングスピードは要ります。秒針が5秒進むスピードがバックスウィング上げて行く時の理想であり、5秒の秒針を心の中に刻んで行け、と20年前は教えた。今、ほとんどの方はそんな馬鹿な、と思うであろう。スウィングに5秒かかるスウィングなどない。ましてやバックスウィングに5秒もの時間、かけられるものか。5秒かけてたんじゃ体が硬化する。気が散る、力が抜けて行く、のミスの要因ばかりの発生となろう。そしてダウンスウィングでバラバラのスウィングとなる。

5秒かけるのではない。それ位のゆっくりした上げ方が必要と言っている、と20年前は教えた。ゆっくり、ゆっくり、力を抜いて、が合い言葉だった。力を抜いて、ボールが飛ぶ訳はない。力入れなきゃ遠くへ飛ぶものか。力の生かし方を教え、遠くへ飛ばす事を教えるのがスウィング理論であって、力を抜けと教えるのは理論なんかじゃない。

力なしで飛ばせる方法あれば教えて貰いたい。タイミングで打つにしても力を入れた時のタイミングである。人間の体、急所を撫でるだけでは倒せない。ボールの急所は芯であり、クラブの急所はクラブヘッドのスウィートスポット。芯に届くスピード、芯を生かす力は要ります。矛盾ばかり、修正ばかりのゴルフ理論であった。

ゴルフは創作であると思う。フックを創り、スライスを創り、ストレートボールを創る。300ヤードのロングドライブを創り、1メートルの正確さを創る、と考えた方がよい。スライスを修正、フックを修正、の考えは消極的過ぎる。

貴兄はバックスウィングのスピードを上げる。スピードを上げるには下半身の丈夫さは要ります。貴兄は1日3キロの距離を歩け。

バックスウィングのスピードが上がればダウンスウィングスピードは必然的に増して行くものだ。バックスウィングをゆっくり上げて行き、トップからダウンスウィングのスピードを増やしに行くよりは、バックスウィングのスピードを上げてダウンスウィングの自然増加を求めた方がよい。




この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。

つづく
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目次
No.366 右ひじの工夫が飛距離を生む (10/6) next
No.459 距離感をあわせるには・・・ (10/6)
No.458 バックスウィングは・・・ (9/29)
No.457 選手のマナーについて・・・ (9/22)
No.456 助言で崩れたら、新たな・・・ (9/15)
No.455 一途に6アイアンを打ち続けなさい (9/8)
No.454 素振りで上達する方法 (9/1)
No.453 夏のゴルフは無理をするな (8/25)
No.452 50歳を越えてからの練習法 (8/11)
No.451 咀嚼の力で・・・ (8/4)
No.450 球落ちの原因は・・・ (7/28)
     
   
 
坂田信弘

京大中退からゴルフを目指した異色プロゴルファー。主として週刊ゴルフダイジェストを根拠として漫画の原作、競技観戦記、レッスン書、レッスンビデオなど八面六臂の活躍をしているが、現在は次代のゴルファー育成のため開始したジュニア塾の塾長として脚光を浴びている。スウィング型を作るための「ショートスウィング」を提唱。
 
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