No.371 『バンカーのミスと練習方法』
11/10 更新
バンカーで迷ってしまいます
サブグリーンのバンカーなどに入れると、ちょうどどどっちつかずで迷う時があります。先日迷ったままで打ったら、ホームランしてOBしてしまいました。砂質やアゴの高さなどでも迷います。状況別のバンカーショット脱出法を教えて下さい。
(広島県・39歳)
私はSWとPWの2本で練習に臨む
バンカーショットの基本を覚えてしまえば応用に移るは簡単。そして、その応用の状況ショットは上手く行くであろう。逆に基本を覚えずして応用に移った時、ミスショットの数は増え行くばかり。
貴兄は悩んでいる。基本の足りなさに悩んでいるのか、ミスばかりの連続に悩んでいるのか、それともバンカーそのものの存在に悩んでおられるのだろうか。基本の不足か、寄せ切れないショットへのジレンマか、バンカー恐怖症であるのか、そこを知りたい。
一例なれど、ミドルホールのサブグリーンバンカーに入った時、第二打のお粗末を悔やむか、そのバンカーからの脱出だけに眼を向けるか、スコアへのこだわりだけを前面に押し出したバンカーショットをしようとするのか、そのホールを諦めてしまうのか、で何から何までが異なって来るものだ。
バンカーからの脱出だけを考えるのであればサンドウェッジでバンカー外へ出せばよい。これは難しくはない。スコアを崩したくない一心で臨むのであれば距離も方向も正確なものが要りましょう。となれば当然、サンドウェッジではないフェアウェイサンドウェッジやピッチングウェッジ、9アイアンといったクラブ選択肢も入って来ます。
昭和55年の周防灘CC、私は私専用の練習バンカーをグリーンキーパーに頼んで作って貰い、朝から夕刻まで、バンカー練習続けた事がある。コースから100メートル離れた周防灘を見下ろす丘の上の5坪ほどの小さなバンカーであったが1日1000球は打っていた。ボールを受けてくれるグリーン芝は高麗芝にして貰い、砂は川砂を入れて貰った。
3カ月でバンカーから打ち出したボールでカタカナ文字41文字すべてが書けるようになっていた。カタカナ文字が書けるようになればバンカーの基本、すべてが習得されたと言っても良いと思う。研修生時代の鹿沼でもバンカーから打ってはいたが文字の書けるレベルではなかったし、そこまでの執着心もなかった。練習は面白くなければ続きはしない。面白さを感じて練習するのか、練習始めて面白さを知ってそのショットに没頭して行くかで練習への傾き様は異なると思う。
ここが大切なところで面白さが出てこないと執着心、希薄な練習となって練習球数に合った結果は身につき難い。練習はしています。でも結果がともないません、と嘆く方に出会う。一つ足りていない。執着心だ。
淡白な心で打ってもそれは自慰の領域になってしまうだろう。練習時の執着心は要る。それが足りないと練習球数、自分のものにはならない。あくまでも執着心、満ちていればの話です。指導は勝負と思う。お互いのやる気、負けん気、へこたれん気、諦めない気で上達の途は作られて行くはず。それ等の気、一方通行では萎えもしましょう。疲れるだけだ。
距離への対応はクラブを変えて行けばよいでしょう。バンカーショットの練習する時、私はサンドウェッジとフェアウェイサンドウェッジの2本を持って臨みます。打つ前より、打ってみた後に分かる事って多いものだ。ヘッドの進入角度、砂の取り様、左腕の使い方、右腕の使い方、勘の鍛え様等、打ってみなきゃ分からない事ばかり。
貴兄の質問はあまりにも適当過ぎる。私には答え様のない適当さである。5キロの肉しか入らない胃袋に15キロの肉を一気に詰め込む手段を教えてくれ、と貴兄は言ってきている。
基本から入るべきと思うが再びの質問葉書き、届くを待つ。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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