No.375 『練習の質よりも、まず量を盗め』
12/8 更新
シングルから何を盗めばいいのでしょうか
私のまわりには多くのシングルがいます。まだ私のハンディは14なので同伴できるシングルから何かを盗みとりたいと
思っているのですが、どこを見ればいいか分かりません。長年多くのプロやアマを見続けている塾長、シングルから何を盗みとればいいか教えてください。
(東京都・39歳)
どれだけ練習しているかにまず注目を
まず、練習の量を盗むことだ。量、要するにどれだけの練習なされているかを知るが大事。次に練習の質を盗んで行けばよい。
プロの領域、アマの領域、成功する人は最初に量を盗む。量を盗み取り、己のものにした後、質の盗みへと入る。成功しない方は最初に質の盗みに入る。その姿勢って、練習して来た方には身勝手と写るであろう。腹も立つ。
身勝手、我が儘、自分勝手の生む結果は自分で背負えばよいのであるから問い行く必要ないとは思うが、質を盗め盗めと教わりて質から入った方は大変にお気の毒ではある。簡単に上手くなりたいとの思惑で踏み込み行く先が質眺め。何故、量眺め出来ないのか、と思う。練習の量を打っていなければ質のどこを盗んでいいのか、分かる筈もあるまい。
ゴルフ雑誌も無責任だ。ここを盗め、と安易なレッスン記事ばっかりを掲載して来る。頭でゴルフやるにしたって、やっぱりその根底にあるは量でしょう。盗みたい方の練習量の30パーセントは盗んでもらいたい。量の30パーセント、盗んで貰えばその方の質の部分も見えて来る。
100パーセントの量を盗めと申している訳ではない。30パーセントでいい。毎日300球打つ方のゴルフを盗みたければ、毎日100球打って貰わなきゃ盗めはしないものだ。1週間に300球打つ方のゴルフ盗むのであれば、1週間に100球、の練習は要ります。
まずは量盗み、次に質盗み。ゴルフスウィングは土台から作り行くが最善。家作り、グリーン作りと要領は同じ。スウィング作りの土台は足。スタンスである。体重配分、球の位置、足の向け様等、注意すべき事、そう多くはないが粗末にしてはいけないけ領域ばかりではある。
体重配分ひとつにしてもつま先体重から踵体重の間に幾つかの体重かけるポイントはありましょうし、足の外側かけの体重か、中心がけか、内側かけの体重であるべきなのか、と分かれてはいる。基本のひとつ一つを押さえ込んで行けば基本型を作るのに30分もあれば十分。その後はショートスウィングで球打って行けばよいだけの話。一気に頭のテッペンへと向かって打ってはいけいなのです。
ところがだ、一気に頭のテッペンへ意識は向かい、テッペンから見下ろす傾向を持つ方、意外と多い。単なるせっかち性分なのか、不安から生じた焦りであるのか、簡単に考え過ぎた結果なのかは分からないが手順違いの練習姿勢は本当に多い。
私の師は仰った。上手い人のスウィングを眼と耳で学んで何かを感じたのであれば、その感じたものを自分のものにするために、日頃の練習の3倍やれ、と。3倍の練習で感じたものを一途に追って行けば自分のものにはなる。やる気は熱い内だ。感じたらすぐに球を打て。己の日頃の3倍。
師の教え、間違っちゃいないと思っています。ただ、怠け者の私、師の教え、幾度も忘れてしまったのが今日の我が身の姿じゃあります。師の教えに素直な者は伸びますネ。素直でない者は根っ子から曲がって行く。
根っ子から曲がれば盆栽だ。プロになりたければ3倍。シングルになりたければ3分の1。ハンディ3から上に行きたいのであれば同じ量、打つが盗みの基本。
貴兄は盗みの量を盗め。盗みたき人のゴルフ、1日300球打つゴルフであるならば1日100球打て。そして
時間あればあとの200球打つ時間はその方の練習を凝視し続けてりゃいい。気配が伝わり、気持ちが伝わりゃ、教えてくれるようになるかも知れない。
私、ゴルフ始めたばかりの頃、ジーン・リトラーのテレビマッチ収録を観に行った事があります。18ホール私はリトラーのスウィングを正面から眺め続けた。収録終えた後、リトラーと眼が合った。彼は言った。左腕だけ、と。この一言で私の目指すスウィング作りの方向は決まったと思っています。写真に残る30年前の私のスウィング、リトラーのコピースウィング丸出しじゃありました。
貴兄は量を盗め。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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