No.417 『V字型のグリップを目指せ』
10/12 更新
颯爽と、スッとクラブを握りたい
グリプに悩み続けて10年。いまだにすんなり、やんわり握れません。モジモジして、ギュッと強く握ってしまうのです。プロやトップアマのように、スッと握ってスッと構える。颯爽とした格好いいゴルファーへの第一歩のグリップを教えてください
(愛知県・42歳)
二つの細いV字を崩さないことが肝心です
小さな手ほど、美しい握りは作りやすいものであり、大きな手ほど、美しい握りは作りにくくなって行くと思う。
また、小さな手であっても手のひらが大きいほどに美しい型は作りにくく、手のひらが小さく指が長いと美しさ持つグリップ型は作りやすくなるようだ。この事、私の経験、ジュニア塾生への指導、進化論塾生への指導の中で得た事です。
貴兄の手の大きさは如何なるものであろうか。貴兄の指と手のひらのバランスは? 私のグローブサイズは27.5センチ。既成のグローブでは小さ過ぎてマルマンの特注品を使用しているが、日本人の平均指型から見れば長い指持つ部類に入ると思う。故にそこそこ整ったグリップは作れていると思っちゃいます。
グリップ作りのコツであるが、左手親指を伸ばし切った握りだと、美しいグリップは作りにくい。親指を詰めて握り、左手親指と人差し指をくっつけた、その2本の指の作るV字型を細いものにすれば整いしグリップは作れましょう。右グリップも同様、伸ばし切った親指では整いにくいし、親指と人差し指の作るV字型が開いた状態だと締まりの良さは出にくいようじゃありますな。
ゴルフ始めたばかりの頃、私は素手で球を打っていた。グローブ購入する金もなかったし、入るサイズもなかった。真冬の鹿沼。まだ日の昇る前の、空気が寒さでピーンと張っている時、素手で球を打てばグリップの握りに無駄があるか、ないかは簡単に分かる。無駄の握りがあれば手のひらと指の関節部分が球10球でヒビ割れした。一夜でくっついた薄皮が簡単に破れた。
グリップが遊ぶようでは真冬の朝の球叩きは20球と続かないものであった。軍手をはめて球を打った事もあるが締まりが悪過ぎ、滑りも生じ、役には立たなかった。軍手の球叩きは手先の保温効果あるだけであった。
私は素手で打ち続けた。冬の鹿沼の零下の寒さが私にグリップを与えてくれたと思う。鹿沼に入社したての最初の冬、20球と打てなかったグリップも冬の終わり頃には、300球打てる素手のグリップになっていた。
私のグリップは31年前からひとつも変わってはいないと思う。男体山の風、鹿沼の冬が作ってくれたグリップではあった。
私は親指を詰めて握る。親指と人差し指の作るV字型を細く細く、と思いて握る。私のグリップはこの2点のこだわりで作り来たものです。
指が短いとロングサム握りにはなります。故に自分の指の長さと相談しながらのグリップ作りは必要なれど、右グリップ、左グリップのV字型は崩したくないものです。
V字型が崩れると体の動きのバランスは崩れるものだ。体の動きの崩れはスウィング中の力の入れ様を間違えた時に起きるが、V字型を崩さなければ肩、腰、ひざの動きの乱れは生じにくい。肩、腰、ひざの動きが乱れなければ入れた力はスピード化し、スウィングを崩す原因とはならない。
いいゴルフスウィングとは入れた力の簡潔なるスピード化であろう。私のグリップ、美しいとは思わない。だが、無駄はないと思っている。フィンガー握り、パーム握りと色々な握り様もあるが、要は親指と人差し指の作るV字型の維持が何よりも大切であって、グリップ作りの最優先順位に来るものあろう。
貴兄は美しいV字型のグリップを作れ。それがグリップ作りの要諦であると私は確信する。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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