No.434 『プロほど強い遊び心を持つ』
3/17更新
バックスウィングをスムーズに動かしたい
スウィングにおいてどの部分にも重要なポイントがあると思いますが、私はバックスウィングを意識し過ぎて、あれやこれやと考えてしまいトップをスムーズに作ることができません。スウィング中のバックスウィングはどう位置づければよろしいですか。バックスウィングがスムーズに動く方法と合わせて教えてください。
(千葉県・45歳)
ハンディ5以上の方に問え
無心で打てばよい。無心で打てなければ有心で打て。
有心とは1点への執着、こだわりである。己を投げ出せば無心に達し得ると思う。欲を投げ出し、希望期待を投げ出し、構えの方向のままに振って行けば無心の球は生じる。
断り置くが無心で打ったとて願い通りの飛距離と方向が得られる訳ではない。要は人間のやってる事。それも道具の生む力を借りての遊び事だ。思い通りに行くと信じるは過信。ゴルフは羊飼いの遊びから始まった。その時代と今の時代に共通する想いはひとつであろう。それは遊び感覚。この感覚を失くさぬが上達の要諦であり、継続の力になり得るものと想う。
プロほど強い遊び心を持つ。強さは大きさになって行く。遊び心は若葉となる。遊び心なくした樹は枯れ葉と枯れ枝を落とすであろう。遊び心は人間の叡智、と誰かが言った。
貴兄は無心で打て。無心で打つには基本のアドレス型と単純なスウィングリズムが要る。単純なリズムは長続きの力を持つ。何も考えずの歩き然り、同じ事を繰り返す手作業の技然り。
無心のリズムは強い。風にも距離にも恐怖にも不安にも耐え得る力を持つ。無心で球打つにはハンディ5以上の経験、技量が必要と思う。1万球、2万球、打ったとて無心のリズム、身につくは不可。練習が足りなさ過ぎる。
私は球叩きを職業として来た。職業である以上、球叩きの無心を知る事は出来る。私はゴルフの事しか知らないが、今私はハンディ5以上の技量持つ方の努力に恐怖を感じている。ハンディ5以上の方は職業ではないのに球叩きの無心を知りたる方たちだ。プロ以上の努力と工夫、そして己との体技心の葛藤を経験された方と思う。遊び心、強き方たちだと思う。
貴兄はハンディ5以上の方に問え。その方の遊び心を問うて行け。その方の心のどこかに有心は残っていよう。あるいは激しく熱い有心のひとつでも昨日も今日も球を打ち続けておられるかも知れない。それを問え。
私の有心は右肩であったが今は無心。何も想わず、何も考えずに、球を打っている。有心の存在に悩む貴兄はハンディ5以上の練達の方に問え。それが最善。私に問うは次善の策である。
遊び心が態を作り、技を作り、想いを生み、和をも生んで行くが、その遊び心を問え。
この「野性塾スペシャル版」は週刊GDの過去の連載からピックアップして転載したものであり、周囲の状況が現在と異なっていることが多々あります。
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