マイケル・バノンは今年すでに三度にわたり、合計6週間、本拠地の北アイルランドの首都ベルファストから中東ドバイや米国フロリダへ飛び、ローリー・マクロイのスウィングだけでなく、「第二の父親」として精神的にも支えてきた(父親ジェリーとバノンはローリーが生れる前から親友の間柄である)。
米国遠征から戻って数日後の5月中旬、「まだ時差ボケが直らないんだよ」とジョークを飛ばすバノンをバンガーGCで直撃した。
「昨年後半から現在までの約10カ月間、ローリーが集中的にトレーニングしたのは膝や腰などを強化するウェートトレーニングとダウンスウィングの調整だ」
マクロイのスウィングはシルキー(絹のようになめらかな)スウィングとして知られる。インパクトの精度の高さ、正確なクラブフェースの位置、素晴らしいリズムと安定度、スウィングのバランスなど、どれをとってもほぼ完璧に近い。
しかしバノンは「ゴルフにはマジック(魔法)はない。日々たゆまない練習だけが報われる唯一の道だ」と説く。過去13年間、ローリーが完全に信頼しているバノンのゴルフ理論をのぞいてみよう。