“美しい”と賞されるプレーヤーのスウィングは必ずといっていいほどベン・ホーガンに似ている。ファルドやタイガー、日本なら、陳清波や湯原など、数多くのプレーヤーが思い当たる。スクェアグリップやフットワーク、腕の使い方etc……。多くのプレーヤーは、みんなホーガンから教わった。
「すべての美しいスウィングはホーガンに通ず」と言われるなかで、今回はゴルフの最先端をリードする日米のスウィング研究者たちに、ホーガン理論の真髄と周りに与えた影響を語ってもらった。
【ホーガンへの道①】『スウィングプレーン』江連忠
「ホーガンのプレーの美しさに泣いた! 完璧なスウィングを目指す求道者のような姿は、ゴルフをスポーツからさらに芸術の域まで高めてもくれた。当然のことながら私の指導に、ホーガンの影響があることは間違いありません。」
【ホーガンへの道②】『不動のスウィング軸』ホーマー・ケリー&マック・オグレディ
「頭の動かない動作とオンプレーン。理想のスウィングのモデルはホーガンだ! 」ホーマー・ケリーが書いた『ゴルフィングマシーン』がゴルフ界に与えた影響は計り知れない。ゴルフィングマシーンも不動の軸と斜めのプレーンを持つ。
【ホーガンへの道③】『グリップ』デビッド・レッドベター
「アスレチックスウィングの原点。時代遅れの部分だけアレンジすればいい。ホーガンは人間業とは思えない努力と格闘の末理想のスウィングを手に入れた。その遺産ともいえるスウィングを下敷きにして、現代のアスレチックスウィングは成り立っているのです。」
【ホーガンへの道④】『ひじの管理』マイク・パーピッチ
「上体を回転させ右ひじを曲げ伸ばし。基本に忠実であれば課題は克服できる。第1にホーガンは私に希望を与えてくれた。第2にホーガンは根本的なもの、ファンダメンタルズ(基本)に固執した。これはゴルファーとして不可欠なものです。」
【ホーガンへの道⑤】『フットワーク』ショーン・フォーリー、グラント・ウェイト
ホーガン独特のフットワークとインサイドアウトの軌道こそ、ホーガンが編み出し、オグレディ、フォーリー、ウェイトを経由してタイガーに受け継がれた“伝統の宝刀”といえるだろう。
【ホーガンへの道⑥】『フォロースルー』陳清波
日本で美しいスウィングの代名詞といえば陳清波。周囲は陳を「極東のホーガン」と呼んだ。湯原信光も陳を通してホーガンのスウィングを学び、そのアイアンの切れ味は日本一美しい、とプロの間からも賞賛された。
【ホーガンへの道⑦】『インパクト』栗林保雄
「体全体が連動して加速・軌道・打面の向きを三位一体で制御。理想のインパクト。彼の『モダンゴルフ』から私が重く受け止めた事は“スウィングは体全体が連動している”と述べたところです。そこにゴルフの真髄が秘められている。」