『スウィングにはワンプレーン、ツープレーンの2種類ある。自分がどちらなのかを知らないと上手くなるのは難しい』そう語るのは米国№1に選ばれたスウィング再生の名手、ジム・ハーディ。米国で2005年に出版された著作『The Plane for Golfers』は、今もベストセラーを続けている。バーディに2つのスウィングの上達法を聞いてみた。
Lesson1:スウィングプレーンの考え方
『まずは2つの違いを理解しよう!』
2つのスウィングの決定的な違いは、腕の使い方です。
ワンプレーンスウィングは腕を体の回転方向と同じ方向、横に使います。
ツープレーンスウィングは腕が体の回転方向とは違い、上下動するのが特徴です。
レッスンをしていてよく聞かれるのは「ワンプレーン、ツープレーン、どちらを目指すべきか」という質問です。これからゴルフを始めようとする人には、再現性が高くて体に負担がかかりにくいワンプレーンをおすすめします。しかし、2つのスウィングのどちらかが正解で、どちらかが間違いというものではありません。
Lesson2:アドレスとグリップ
『アドレスからフィニッシュまで一貫したスウィングを目指そう!』
まずはアドレスから。ボール位置(左右)はどちらのスウィングでも変わりません。
ワンプレーンは前傾角度が深いので、ボールが体から離れる。
必然的に両手も体から離れます。ツープレーンは前傾角度が浅いので、
ボールが体に近くなります。
グリップは左手が大きく異なります。ワンプレーンはニュートラルからややストロング。右手はスクェア。ツープレーンの左手はニュートラルからややウィーク。
右手はスクェアです。腕をローテーションさせてインパクトを迎えやすいグリップにします。
あなたが今までやってきたスウィングを劇的に変える必要はありません。
いずれにしろ2つの打ち方の特徴を理解して、
一貫性の取れたスウィングを目指してください。
Lesson3:バックスウィングからトップ
『バックスウィングでは、肩の回転に注意が必要』
ワンプレーンは肩をタテに回転させるイメージです。
前傾を維持したまま(少し前傾を深くするイメージで)、肩をタテ回転させていく。
右へ体重を移動すると、スウィングがフラットになりすぎて球が上がらなくなるので注意が必要。
ツープレーンでは肩をヨコに回します。地面と平行に近いイメージを持ちましょう。
肩をほぼ水平に回す。腕の上下動がパワーの源となるので、肩と腰の捻転は意識しなくていい。肩と腰を回すことで腕をインサイドから下ろすスペースをつくるイメージ。
Lesson4:切り返しからダウン
『ワンプレーンは腕を使わない、ツープレーンは腕を使おう!』
ワンプレーンとツープレーンでは、ダウンスウィングでもまったく違う動きをしなくてはなりません。
ワンプレーンでは切り返し以降、肩と胸をバックスウィングと逆方向に素早く動かします。
ツープレーンスウィングでは、切り返しで肩を極力動かさないようにします。肩は腰、腕、胸の動きと連動して動くのです。ツープレーンスウィングのモーター(動力)は腕の動きです。
Lesson5:インパクト
『ワンプレーンは右の背中、ひじを積極的に使い、ツープレーンは肩を回さず、腕を振ろう!』
ワンプレーンスウィングでは、野球のバッティングのように、アドレスの位置よりもかなり腰、胸を開いてインパクトを迎えます。
ツープレーンのスウィングでは、肩はターゲットに対してスクェアかほんの少し開いてインパクトします。肩を積極的に回してはいけません。
ワンプレーンでは肩の動きに腕がつられて動くのですが、ツープレーンでは腕の動きに引っぱられて肩が動くイメージをもつといいでしょう。
Lesson6:フォロースルー&フィニッシュ
『コンパクトか高く振り抜くか』
最後にフォローからフィニッシュの動きを解説しましょう。
ワンプレーンスウィングはフィニッシュにかけて前傾角度を保ちやすいのが特徴です。 クラブが体に巻きつく所でフィニッシュに向かいます。
ツープレーンスウィングは、フィニッシュで起き上がりやすくなります。腰の回転は少なめでよく、肩の回転も腰の回転と一緒に終わります。
ワンプレーンを目指すのなら、腕は振らない。ツープレーンは腕を上手く振るために腰をスライドさせ、肩の開きを抑える。 ワンプレーンは腰、肩(胸)、腕の捻転がパワーを生みだす。ツープレーンは腕を振り下ろす力がパワーとなります。
『ワンプレーンかツープレーンか。2つのスウィングの違いを理解した上で、自分の感覚に合うスウィングで首尾一貫することが、上達の早道なのです。』
ジム・ハーディ
『ジム・ハーディのあなたはどちらのスウィング?』は、チョイス2016年夏号に掲載されています。