週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

------今年もようやくツアー生活が終わりましたね。

「日本でもアメリカでも優勝がなかったけど、米ツアーに行ってからの3年間の中で一番いろんなことを考えることができたいい1年でした」

------数字的にはもちろん満足してないと思うのですが？

「う～ん、でも成績とかじゃなく、今後に向けての収穫は多かった。年齢的にももう20歳のときとは違うし、どんなトレーニングをすればいいのか、どこが悪かったかとか、シーズン後半になってよくわかってきたし」

------結局どこが悪かったと？

「すべてが噛み合わない。噛み合った試合が少なすぎた。どう調整して、どうすればいいのかが見えたら1年が終わっちゃった。それまでは調子がよくないのに結果を出したいと焦って、すごく大事なことを忘れてた」

------その大事なこととは？

「目標、というか目的、かな。何のためにゴルフをやっているのかを忘れてました。ただ、いい成績を出したいばかりで」

------気づいたのはいつ頃？

「11月ぐらいかなぁ。ツアーの終わりになって来年のことを考え始め『ああ、最近までの私は違ってる』と」

------じゃあ、終盤はゴルフが新鮮だったのでは？

「終盤2試合はゴルフ、楽しかったですねぇ。だから今は来年がすごく楽しみ」

------今シーズンは体調的にももう一つだったとか。

「今まではどちらかというとストレス食いしていた私が、逆に食べられなくなったり、どこでも眠れた私が眠れなくて薬を飲んだり、去年までと違うことがたくさん起こって……」

------最悪だったのは？

「4、5月ぐらいかなぁ。日本に一時帰国してもあまり眠れなかったし、体も思うように動かなかった。悪循環で、今度はベッドに入ってから“眠れない”というプレッシャーが来るんですよ。布団にもぐってから4時間も悶々としてた日もあります。寝たと思ったら1、2時間でまた目が覚めちゃったりね」

------4月は、前年優勝の那須小川レディスを欠場し100万円の罰金を払いましたね。

「もう、あれはしようがなかった。私はずっと出たい気持ちがあったからエントリーの締め切りまで悩んだけど、米ツアーも（一昨年の優勝で得た）2年間のシードが今年で終わりだったから、来年がない立場としては腰を据えて闘ってなんとか早くシードを確定させて帰国しようと決めたんです」

------罰金に対して納得できない気持ちは残っていないですか？

「自分が会員になっている協会の決め事ですから仕方ないと思います。ただ他に罰金対象となる欠場を許可された例があったのは疑問に思いました。規定を作ったなら公平にしてほしい」

------8試合の出場義務もかなりキツそうでしたが。

「あと2試合少なければ全然問題ないと思うけど、8試合だと、もしアクシデントがあった場合……と考えて10試合は出るプランを立てなきゃならない。それはかなり辛いです」

------来季の消化試合数はどのくらいになりそうですか？

「ペースは今年と同じ、両方で30試合くらいでしょうね。でも日米を行ったり来たりはキツいので、今年のようにそれぞれまとめて闘いたい。米ツアーも試合数がだいぶ減りましたから、春先そうとう頑張らないと日本に帰って来られないですよ」

------2月末の米ツアー開幕まで、オフはどんな計画ですか？

「昨年同様、年が開けたら九州でトレーニングしようと考えてますが、今回は父にお願いして、ずっと体作りを見てもらうことになってます」

------スウィングのほうは、どなたかコーチをつけるとか……？

「その予定はありません。今までやってきたことを大きく変えることはちょっとできない、私には。もうプロになって10年、年齢も30に近くなってますし」

------最後に来年の目標は？

「成績より、自分が今考えているのは、今年できなかったこと、うまく噛み合わなかったことを自分の力でもう少しまとめていきたいということ。優勝は欲しいけど、今年も優勝がなかったことを意外とすんなり受け入れてます。この先まだまだ勝てるし、って。これから自分がもっともっと大きくなっていければいいんだ、と感じてます」