7番ウッドや9番ウッドなど、キャディバッグに収まるウッドの本数が増えるなか、存在感が薄くなっているのが4番ウッド。スプーンやクリークは知っていても、バッフィという愛称が通じない若年ゴルファーも多い。果たして4番ウッドはその役割を終えつつあるのだろうか。
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ロイコレでもBBS's304Tはバッフィがラインナップされる
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プロのクラブセッティングを見渡しても、3番と5番が定番で、4番ウッドを組み込む選手はすでに少数派だ。
「ジュニアの頃は4番ウッドも使っていましたが、最近の3番は球が簡単に上がるし、5番は飛ぶようになったので、今は4番を使う理由がありません」(馬場ゆかり)という意見にはアマチュアの多くもうなずくことだろう。
一方、「選ばれなくなったという以前に、メーカーが4番ウッドを作らなくなった」と指摘するのは二木ゴルフ・商品部の北條圭一郎部長。
「ロフト角でいえば実質4番なのに表記を5番にしているクラブが増えました。5番で4番並みに飛べばゴルファーは喜びます。こうした流れに先鞭をつけたのはマックテックでは」と北條部長。
マグレガーが、初めて4番ウッドを省いた『マックテックネオ』を発売したのは99年。それ以来、『マックテック』シリーズは4番の設定がない。
それまでロフトが13度前後だった3番のロフトを『マックテックネオ』では15度まで寝かせ、逆に5番は20度前後だったものを18度に立てた。
「その間に16度や17度の4番を無理に入れる意味もありませんし、3度刻みのロフトのほうが合理的です」(マグレガージャパン・松下健氏)
以来、アベレージゴルファー向けのフェアウェイウッドで4番を省略するモデルが増えてきた。
一方、上級者向けモデルでもあえて4番を入れないケースもある。
「ロイヤルコレクション『BBD's304F』は3番が打てる人を前提にしたモデル。3番が打てない人は4番も上手く打てないし、5番で届かない距離でも10ヤードの飛距離アップのために4番でリスクを冒す必要はないでしょう。ティショットで正確性を求めるならやはり5番のほうが適しています」(ロイヤルコレクション・吉村淳哉氏)
4番ウッドの必要性が小さくなったのは3番や5番ウッドの性能向上が最大の要因だが、クラブメーカーのお家の事情も見え隠れする。
7、9、11、さらには13番とショートウッドのバリエーションを増やす一方で、「生産や在庫のコストを少しでもカットしたいのが本音」(大手メーカー)ということもある。
フェアウェイウッドに強い別のメーカーによれば、フェアウェイウッド全番手のうち4番ウッドの比率は年々下がっているそうだ。
「低重心になって誰でも打てる3番が多くなっていること。それでも難しい人は5番からというセッティングもあります。3番、5番を10とすれば、4番の比率は2割程度」
バッフィもかつてのブラッシー(2番ウッド)のような道を辿るのだろうか。
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