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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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週刊ゴルフダイジェスト 10/2号
2007/9/20更新
池ポチャボールは拾わない!またも
ボール拾い中のゴルファーが事故

 今月6日、プレー中のゴルファーがコース内の池に転落、水死した。ゴルフ場での死亡事故と言えば、打球や落雷によるものと思われがちだが、なぜ、このような痛ましい事故が起きたのだろうか? セルフプレー時代に起こりうる事故を検証した。


池を配した戦略性が仇となった!?

 事故があったのは北海道北見市のグランクリュGC。大きな池が点在する戦略的コースだ。

 午後0時15分頃、セルフでプレーしていた遠軽町税務課長の近藤広吉さん(54歳)が16番ホール沿いにある池に落ちた仲間のボールを捜しに行って転落した。

 約40分後に北見地区消防組合の水難救助隊員が水深約3メートルの底に沈んでいた近藤さんを救出して病院に搬送したが、死亡が確認されたという。

 同クラブの竹下文彦支配人は、その時の状況をこう説明する。

「問題の池はホール右側のバンカーの先にあります。亡くなった近藤さんご自身が打ったボールはフェアウェイのセンターにあったのですが、一緒に回っていた3人の方は1人が問題の池に、残りの2人が左サイドに打ち込んでいました。それで、池に打ち込んだ人は初めからボールを拾う気がなく、3人で左サイドにボールを捜しに行っていて、近藤さんは1人で、池に落とした仲間のボールを捜しに行ったようです。バンカーの先は斜面になっていてゴムマットが敷いてありますので、普段はまず取りに行かないところです。アッという大きな声がして、3人が慌てて池のところに行ったのですが、どうしても助けることができませんでした」

 竹下支配人の話を聞く限りでは、池に落としてしまった仲間のボールを拾ってやろうという近藤さんの親切心が仇になったような結果だ。

 同様の事故は、昨年の8月、栃木県のエヴァンタイユGCでも起きている。

 この時は、池に落ちた仲間を助けようとした50代の女性が溺れて亡くなっている。

「エヴァンタイユの死亡事故以来、当クラブでもクラブハウス内に張り紙をして、池に落ちたボールを拾いに行かないよう、お客様に注意をしていたのですが、悲しいことが起きてしまいました」(竹下支配人)

 事故後、同クラブは今後の対策をエヴァンタイユGCに相談、ただちに問題の池の周囲に浮き輪を置いたり、斜面にロープを設置するなどの措置を取ったという。

 しかし、今回のような死亡事故こそなかったものの、この池では過去数年前にも何回かゴルファーが落ちる事故があったというから、ゴルファーの安全対策に対する配慮が足りなかったと指摘されても仕方がない。

 池の周りに転落防止のフェンスを設置する、立ち入り禁止の立て札を立てるなど、事故を防ぐ方法はあったはずだ。

 とは言え、やはり一番大切なのは、ゴルファー自身の自己防衛だろう。

 ゴルフ場の池は意外と深し、ひとたび落ちてしまうと、岸に這い上がるのが困難なところも多い。

 たかだか1個のボールのために、大事な命を落としてはあまりにもったいない。

 今回の事故を教訓に、池に落ちたボールは無理して拾わず、潔く諦めることを肝に銘じておくことだ。

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