昨年、会員権相場は年間を通じて下落。関東ゴルフ会員権組合発表の平均相場も年始の316万円から12月最終週には218万円にまで下がった。そんな中、年末、正会員より平日会員の方が高くなる珍現象が起きた。
神奈川の伊勢原CCで、正会員5万円に対し、土曜プレー可の平日会員が15万円の相場をつけたというのだ。一体なぜそんなことになったのか?
「伊勢原の場合、あの時点で売り希望の最安値に正会員20万円、平日会員30万円があり、それぞれの買い希望の最高値との平均からそういう数字になったのでは。あくまで気配値で、実際の売買の結果ではないのですが、たしかに過去にこんな例はありません」(現代ゴルフサービス・大久保貢氏)
同氏によると、これまで、正会員と平日会員の相場には一定の割合があったという。「土曜プレー可の平日会員が正会員の相場の6割、土曜プレー不可の平日会員は4割程度というのがこれまでの目安。伊勢原のような極端な例はともかく、この比率が変わってきている所は増えてますね」(大久保氏)
東京の相武、神奈川の小田原湯本、神奈川、長竹、千葉の鎌ヶ谷、上総富士なども平日会員の相場が正会員の8~9割程度。「相場は接近していても、その他の面でまだまだ平日会員のほうが安いコースが大半。あとはゴルファーの利用法の変化もあります」(大久保氏)
会員権を購入する場合、相場の金額のほかに名義書換料が必要だが、バブル期のように会員権がン千万なら100万円の名変料でもあまり影響しないが、最近の相場では、名変料の多寡が大きく響く。伊勢原の場合も、名変料は正会員60万円、平日会員30万円なので、平日会員の相場が10万円高くても、合計金額は正会員のほうが高いのだ。
小田原湯本の場合は、正会員は名変料100万円に加え入会預託金200万円が必要だが、平日会員は名変料70万円だけ。だから相場では正会員と平日会員の差が少なくなる。この事情は長竹や鎌ヶ谷なども同じだ。
もうひとつのゴルファーの利用方法の変化だが、「月例に出られなくてもいい、プレーは平日でいいという、純粋に健康や楽しみのためゴルフする人が増えてます」(大久保氏)
そういう人が、都心から近くて交通の便がよいコースの平日会員権をターゲットにしているため、そういった条件のコースは平日会員権の相場が高い。もっとも都心部から遠い地域の平日会員権と正会員の相場の比率は昔のまま。平日ならビジターでも安くでき、土日や競技志向の人だけが入会するからだ。
正会員と平日会員の相場逆転現象は、ゴルファーのプレースタイルの変化に加え、相場に比べ高すぎる名変料(と入会預託金)による会員権市場の歪みということができそうだ。
[訂正]1/8・15号バック9の福嶋晃子選手の記録を訂正致します。正しくは昨年の国内予選落ち回数は0、トップ10入り4回でした。
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