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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/12号
2002年更新
米同時多発テロによる観光客激減が引き金
大日本土木系のグアムのゴルフ場自己破産
 東証一部上場の準大手ゼネコン・大日本土木系列の(株)グアムインターナショナルカントリークラブ(以下GICC社)が1月15日、東京地裁から破産宣告を受けた。

「同時多発テロ以降、入場者数が極端に減ったことから、敷地を保有するグアム政府に賃料を支払えなくなってしまい、このままでは2月にはコースを没収されてしまう。それを回避するため、ゴルフ場を買ってくれる先を探し、ようやく大方の目処が付いたものの、買ってもらうにあたっては債権債務の整理は不可欠」(申立代理人の才口千晴弁護士)ということで破産ということになったらしい。

 このコースは、大日本土木の施工で、岡本綾子プロをアドバイザーとして、平成6年3月にグアム島にオープン。GICC社100パーセント出資の現地法人の経営だが、2100人以上いると見られる会員からの、総額で40億円を超えるであろう預託金を預かっているのはGICC社で、大日本土木の関連会社である鳩山スポーツランド(株)が発行済み株式の50パーセントを握っている。

 その一方で、「普段取引をしている富士銀行の行員に勧められ、プレーに行く気はなかったけど、付き合いのつもりで会員権を購入した」というある会員は、このコースを“富士銀行系列”だと信じ、当時200万円(入会金30万円、預託金170万円)で入会していただけに、突然の破綻はまさに寝耳に水。

 実際のところはオープンから数年間は芙蓉グループの企業が残り50パーセントの株式を保有していた形跡があるものの、「当初の経緯は知らないが、現在では(残り50パーセントは)大日本土木とも芙蓉グループとも関係ない株主が保有している」(破産管財人の遠藤常二郎弁護士)という。

 富士銀行では「以前のことはわからないが、現在では資本関係はない。行員が会員権を販売するということも銀行法で禁止されているのであり得ない」(富士銀行広報)とし、行員による組織的な勧誘については完全否定なので、真相は藪の中。

 今後の譲渡先については、「まだ交渉中なので、実名は公表できないが、プレー権は維持してもらう方向で話を詰めている。現在もコースは従来通り営業しており、予約も受け付けている」(遠藤弁護士)という。

 譲渡先はどうやら日本人、ないしは日本企業らしく、プレー権の保証は得られる見通し。また、配当の有無については譲渡金額がいくらで決定するかによるので「現時点ではわからない」(遠藤弁護士)。

 大企業系列のゴルフ場が倒産する事例はいくつもあるが、親会社の破綻が引き金になって系列ゴルフ場も立ち行かなくなるケースがほとんど。親会社が生きている中、系列ゴルフ場が破綻するケースはいくつもない。

 ダイワ精工系列のダイワヴィンテージGCが民事再生を選択、退会会員の預託金の8割カットで認可に持ち込んだケースがある一方、ザ・オークレットGCでは住友ゴム工業グループの日本ダンロップが会員から預託金債権をすべて買い取ってしまうという至れり尽くせりの対応をしたところもある。

 自らも巨額の負債と赤字を抱え、株価も100円を切る大日本土木としては、昨秋以降の集客難がなかったとしても、2年後の償還期にはいずれ破綻が目に見えていただけに、今後再建して経営を続けていく余裕はなかったということだろう。大企業系列コースの不倒神話は完全に崩れ去ったといえそうだ。

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