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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 2/19号
2002年更新
「他のボールはバランスが取れていない」
ウイルソンが新ボール発売で挑発的宣伝
 遂にゴルフボールの「真実」が明らかになった------? これまでも「サイバーコア」「i-wound」など新構造ボールを次々と出してきたウイルソンが、今度は「スタッフ・トゥルー(TRUE=真実の)」という名の新ボールを先の米PGAショーで発表したが、この宣伝文句が話題となっている。

「私たちは、ゴルフボールの事実を公にしているだけ。もちろんすべてのボールが悪いというわけではないが、現時点で、我が社を含め、すべてのボールメーカーが、バランスの取れていないボールを数多く生産しているのは間違いがない」(同社L・リーズ副社長)などと語ったため、PGAショーの参加者たちが騒然となったのだ。

つまり、このニューボール以外は自社のボールまで否定しているのだから、いかにこのボールに自信を持ち、力を注いでいるかがわかるだろう。大きく分けるとウレタンカバーの3ピースと、サーリンの2ピースの2タイプだが、基本的には芯の部分とカバー部分が、同様の密度をもって作られており、従来のボールに比べると、相対的に芯の部分が軽く、カバーが重たくなっているというわけだ。

「たとえば、芯の部分に鉛を入れたボールでパットすれば(わずかなバランスのズレで)ボールがまっすぐに転がらないことは容易に想像がつくだろう。しかし、カバーの部分が鉛であれば、ボールがぐらついて転がることはなくなるはず」(前出リーズ副社長)という。

つまりは、従来のボールの比重配分では、生産の過程の誤差で、バランスがとれていないボールが作られる可能性が十分にあるというわけ。実際、カーバイド社では、パターのテスト用のロボットを造ったが、同社の創業者、C・シラ氏にいわせると「予期できないような転がりを見せるボールがよくあるのは事実。すべてのメーカーに、重心がセンターでないボールがある」そうだ。

もちろん他メーカーも黙っていないと思いきや、「徹底的な品質管理と検査を行っていることから、少なくとも我が社のタイトリストとピナクル・ブランドの製品については、(バランスがとれていないボールがあるという)批判はあてはまらない」(アクシネット社のG・シン副社長)と、自社の製品のアピールに終始する所がほとんどで、ウイルソンに対する非難の声はあまり聞こえてこない。

他社の製品にバランスの取れていないボールがあるかどうかはともかく、これまでのボールといえば「飛び」や「スピン」を謳い文句に宣伝されることがほとんどだった。それを考えれば、少なくとも「バランス」を全面に出し、パットの際のボールの重要性を認識させるというのは新機軸といえるだろう。このボールを試打したクラブプロの中には「3パットしない」とか「ボールが良く転がる」といった声が出ているようだが、いずれにしても、スコアメークの鍵はパットにあることは間違いないところ。その意味では、ボールのバランスについて、認識を新たにしてもよいのかもしれない。

たとえば、濃い塩水に浮かせれば、ボールのバランスが取れているかどうかがわかるはず。重心がセンターからずれていれば、つねに同じ箇所が上になるからだ。一度、自分のボールを試してみてはどうだろうか。

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