週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
同社によると、この主要3部門を1社が独占するのは、PGAツアー始まって以来の出来事ということで注目を集めているが、理由は簡単で「タイトリストがボール部門でトップに立っているように、“ティアップマネー”で数字を上げることは、製品の優秀さに次いで、テーラーメイドを活気付ける要因となるはず」(J・モーゼス、同社グローバルマーケティング・シニアディレクター)とし、今年から積極的にツアープロへのPRを行っていたからなのだ。 この“ティアップマネー”とは、ツアーでテーラーメイドのクラブを使用すれば、成績を問わずお金を支払うというもので、1試合につき1000ドルを使用選手に支払っているのだ。タイトリストもドライバーに関しては、1試合1000ドルに加え、予選通過でさらに500ドル、優勝すれば1万ドルというボーナス・プログラムを設けており、キャロウェイも、優勝すれば10万ドルといったボーナスで、テーラーメイドに対抗している。 しかし、成績を問わず、アイアンやフェアウェイウッドでも“ティアップマネー”を支払うのはテーラーメイドだけ。そのため、「私たちのライバル社は、現金で使用率の数字を買って宣伝に利用している」(R・ドラポー、キャロウェイCEO)といった批判も出ている。 もちろん、性能がよくなければ、1000ドル程度の金で、ツアープロたちが心を動かすとは思えないが、例えばアイアンで、昨年の使用率が7位だったテーラーメイドが、今季2戦目のソニーオープンで、いきなり25名の選手を獲得してトップに立った(ちなみに2位はクリーブランドの20名、3位はタイトリストの19名、4位がミズノの16名)のだから、1000ドルの力もバカにできないのか。 本来、使用率よりも実際の結果のほうが、製品の性能を端的に表しているのだろうが、その意味でも、テーラーメイドが注目されるている。 同社では、新パター、「ロッサ」を1月から選手に配り始めたが、欧州ツアーでは、このパターを使い、すでにE・エルスやJ・ローズ(2勝)が優勝を飾り、米ツアーでもK・ペリーが、フェニックスで2位に入賞するなど目覚しい活躍を見せている。 「日本の丸山や田中もビュイック招待から使っているし、最低でも15名前後は使用しており、反響の大きさに驚いている」(T・シスモスキー、同社ツアーオペレーション長)。 もうひとつ、実績から注目されているのは、フジクラのシャフト。なにしろ、ソニーオープンからぺブルビーチまでの4人の優勝者が、皆同社のシャフトを付けたドライバーを使っているのだ。同社のシャフトは、昨年も47戦中37試合で使用率がトップ、11試合で優勝を飾っているが、今年はそれを上回る勢いで、ツアー界での人気は高い。“ティアップマネー”に関係なく、性能だけで、注目されているのは、このフジクラとテーラーメイドのロッサ・パターということか。