ゴルフダイジェスト出版案内> BACK9
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/12号
2002年更新
昨今は女性用クラブもバカにできない!?
主力上級ブランドの女性版が続々登場
 これまで「女性用クラブ」というと、女性専用ブランドのビギナー向けのクラブというイメージが強かった。ところが、このところ各社の上級あるいは主力ブランドからレディスモデルが次々と売り出され始めた。これは、女性ゴルファーがパワーアップしてきた結果なのだろうか?

 ダンロップは先月末、主力ブランドであるゼクシオから「ニューゼクシオ」を発売したが、その中に、女性向けに専用設計されたスペックも加え、同時に売り出した。もちろんドライバーは、同クラブの売りである高反発系モデルで、「飛び」が実現されているという。

「以前のゼクシオにも女性用モデルはありましたが、今回とは違い、少し遅れての発売でした」(同社広報部・藤田英明氏)と力の入れようが伺える。

 また、ブリヂストンの主力上級モデル「ツアーステージ」のV800シリーズにも、昨秋から「女性スタッフが中心になって企画・開発したもので、女性の上級者が使えるクラブ」(同社・広報)という女性用モデルが加わっている。さらに、ヨネックスは主力上級モデルであるサイバースター3000シリーズにレディスモデルを追加。同シリーズの人気を女性市場にも広げようとしている。

 こうした動きを用品業界に詳しい片山哲郎氏は、「各メーカーともブランド数を減らす中で、従来あった女性専用ブランドを廃止。替わって、主力ブランドの中に女性用に本格設計したモデルを加えるようになったからでしょう」と説明する。

 以前の女性用クラブは、初心者クラスを中心ターゲットにした、「易しい」だけが売りのクラブが主流だった。つまり、「柔らかく、軽く、短いシャフトに、ロフトの大きなヘッド」というクラブだ。そのため、そのユーザーは、上達すれば男性用クラブに移行することになっていた。

 しかし、「本格設計」された最近の女性クラブは、「設計レベルが上がっていますから、パワー不足になって、Rシャフトが振れなくなった年配男性は試してみる価値があると思います」(クラブ設計家・松尾好員氏)

 とはいえ、女性クラブの市場は、一般にクラブ市場全体の10パーセントほどともいわれている。それだけの規模にもかかわらず、各メーカーがこうして力を入れ始めた背景だが、「ひとつには、テクノロジーの進化で女性用の設計・開発にも比較的コストや時間がかからなくなったという要因があると思います」(前出・藤田氏)とメーカー側が説明する一方で、前述のブランド数を減らした分、売れる主力ブランドのラインナップを強化したいという思惑もあるようだ。

「市場が小さいからといって、安易に開発したクラブを投入したのではまったく売れません。例えば、Sヤードがそれまで大手があまり相手にしなかったシニア層に向けて本格設計して、いわゆるリッチシニア層を引き込んだように、女性用クラブの本格化は女性市場を広げる可能性があります」と前出の片山氏は分析する。

 さらにそうなった先にはジュニア用クラブの本格開発が着手される可能性も考えられるとも。「女性やジュニアをゴルフに引き寄せるには、ゴルフ場や練習場による地域での活動と同時に、ナショナル・メーカーによる全国展開も必要ですから、そうなることを期待したいですね」(同氏)

 つまり、メーカーが女性に向けた宣伝・広告活動を全国展開することで、一般女性がゴルフに関心を寄せるきっかけになることを期待しているのだ。

 女性の皆さん!ゴルフは「男の世界」というイメージを持つのは、どうかお止め頂きたい。いや、これは世の男性ゴルファー諸氏にこそお願いすべきか……。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト
ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です