週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
「現時点(2月20日)で、3月の土日・祝日は24日を除くすべて日に試打会の予定が入っています。最近は、2カ月先の予約を入れるメーカーさんも多くなりました」というのは、東京23区内では、今や数少なくなった200ヤード規模の練習場、東京ジャンボの担当者。 同練習場では、昨年から年間を通してほぼ毎週末、各メーカーが大量のクラブや測定機器を持ち込んで試打会を開催しているそうだ。この3月1日~2日にかけては、ヨネックスが「サイバースター3000」のニューモデルの発売を記念して、同所で24時間(1日午後6時開始)の試打会を開催する。 「3月1日を『ヨネックスゴルフの日』と命名させてもらいまして、当日は全国の5都市で同様の試打会を行います。このうち、24時間営業の東京と大阪の練習場では24時間開催。他の3か所は営業時間いっぱいの午前6時から午後11時まで実施します」(同社宣伝企画部・和泉順介氏) 同社は昨年から試打会を積極的に実施。今年は昨年を5万人上回る23万人の動員を目ざしている。 「社内でこの計画を発表したときは、ほぼ毎週末の開催になりますから、担当営業員からエーッ! という驚きの声が挙がりましたよ(笑)」(和泉氏) 試打会動員数では、前年比2倍というさらに大幅増の目標を掲げているのがミズノだ。同社は、1月に発売された「ミズノ300SII」の宣伝も兼ね、10月末までに全国100カ所のゴルフ場や150カ所の練習場などで試打会を実施。これまでの2倍以上に当たる20万人の試打客を見込んでいる。 その理由だが、「カタログで紹介している基本的なスペックだけでもドライバーは70種類以上あるんです。それだけ微妙な違いですから、クラブ選びに際しては実際に試打してもらうのが一番ということで、最近は試打会に力を入れるようになりました。会場では、より細かなカスタマイズにも応えられる用意をしています」(同社広報室・西田維作氏) 同社は昨年秋からフィッター(クラブ選びのアドバイザー)と独自の計測器によるフィッティング・システム、「ゴルフディスカバリー」を稼動。そのノウハウを活用する意味もあり、試打会を増やしているようだ。 そうしたメーカー側の思惑とは別に、ユーザー側の事情の変化も大きい。 「今やクラブは“打ってナンボ”、の時代なんですよ。性能面での差がほとんどないので、実際に打ってみるまで自分に合うかどうかは分からない。ですから最近は、指名買いはごくわずか。逆に、貸し出し用クラブがないクラブは買わないというお客さんが増えつつあります」(都内某ショップ店長) ブリヂストンも昨年夏から「ゴルファーズドック」と呼ばれる、検診マスターと測定機器によるフィッティング・システムを展開している。そして、今年は同システムを活用し、1月~6月に前年同期の1.5倍に当たる1245回の試打会を予定、こちらは2万5000人の動員を計画している。 「昨年の実績では、ゴルファーズドックで診断し、自分に合ったクラブを選んだ顧客の約30パーセントがその場で購入しています」(同社・広報) 売る方としては、ブランド力や宣伝コピー、スペック表示だけでゴルファーの心を動かせた昔が懐かしい?