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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 3/26号
2002年更新
旧・住友と旧・さくらの統合で系列G場が
営業提携へ。大企業の再編を会員は歓迎?
 1月のUFJ銀行誕生に続き、ペイオフを迎える4月には、みずほグループが再編。名実ともに4大メガバンクが出揃うことになる。それに伴い、このところ問題債権化した系列企業の整理・統合の動きが激しい。そうした動き、実はゴルフ場業界でも今後起こる可能性があると見られるのだ。

 太平洋クラブが経営する太平洋アソシエイツの中のヒルクレストC(栃木)、シャーウッドC(茨城)の2コースと、(株)ホウライが経営するホウライCC、西那須野CCの2コース(ともに栃木)が、4月1日から相互提携することになった。提携内容は、平日に限り、双方の会員が相手側のゴルフ場を割引料金でプレー(同伴ビジターも特別割引)できるというもので、とりあえず1年間実施する予定だ。

 まったく別経営のコースが提携に踏み切った背景には、資本系列があった。太平洋クラブは旧・住友銀行系列。一方のホウライは旧・三井銀行の子会社。つまり、今や双方とも、昨年4月に誕生した三井住友銀行系列のゴルフ場なのだ。

 ただし、今回の提携は銀行主導で進められたものではない。「同じ系列になって以降、経営会議などで現場担当者同士が顔を合わせる機会が増えたことから、どちらからともなく提案された話です」(ホウライ・広報担当者)

 互いにメンバー・サービスに主眼を置いての、現場主導のアイデアだそうだが、業界に詳しいある関係者は、「ホウライの2コースは確かに人気コースですが、東京から遠いというハンディがあり、平日の稼働率が悪く経営的には赤字続き。一方の太平洋アソシエイツは発足間もないグループで知名度もまだ低く、現在も330万円で会員募集を行っている最中。ですから、互いに平日の集客を計って、収入増につなげたいというのが本音」と語る。

 その企画意図はどうあれ、メンバーにとっては、新鮮なコースでの割引プレーの機会ができたのだから歓迎に違いない。

 ただし、一般にこうした提携では「うちのメンバーを取られるばかりでうちには……」といった効果の不均衡による不満が起こりがち。だが、その点、もとが同じ資本系列なので、現場の不満だけで提携解消とはならず、上層部が調整を図ることが考えられる。同系列ゆえに、密な関係が続くということである。

 ところで、今回の提携だが、業界内に意外に大きな波紋を呼ぶ可能性がある。

「たとえば、同じ三井住友銀行系ですが、住友建設と三井建設が経営統合されますね。両建設にはそれぞれ系列ゴルフ場が2コースと6コースありますが、いずれも赤字経営。それらを銀行主導でグループ経営化するという話が囁かれるようになりました」(某業界関係者)

 つまり、銀行主導による業界再編である。しかし、4大メガバンクがそれぞれ数多く抱えている系列ゴルフ場と提携、あるいはグループ化するなんてことが起こり得るのだろうか?

 自身、バンカー出身でもある日本ゴルフ場経営総合研究所の降旗貞夫氏は、「現在、銀行が進めている系列企業の効率化の徹底ぶりを見れば、ありえない話ではないですね」と語る。

 実際、太平洋クラブはグループの全国展開を進めているが、今後、三井住友銀行から系列コースの買収を持ちかけることは十分にありえる。

「実は、太平洋クラブ同様に全国展開を考え、買収コースを選定しているグループが他にもあるんです」と降旗氏。

 もちろんゴルファーにとっては、会員数のキャパシティが十分あることが前提だが、会員権が同じ値段なら、なるべく多くのコースを利用できるほうがいいに決まっている。これからの会員権取得は、系列やグループ化を視野に入れて選ばなければならない……?

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