週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
バブル期には年間40試合前後に増加、3月第1週から12月上旬までビッシリと日程が組まれていた女子ツアー。その後徐々に年間試合数が減少、今季の賞金ランク対象競技31試合に。 そんな流れの中で、スポンサーはコース状態の悪い春先、とくに3月を嫌う傾向もあり、少しずつ穴の開いた別の季節に移動。沖縄開催の開幕戦、ダイキンオーキッドだけが日程を変えずに残った形となったため、2000年からは「開幕戦後約1カ月間オープンウィークが続く」という変則日程が続いている。 スポンサーは「男子ツアーに先駆けて開幕戦を開催することでの注目度」や「沖縄開催の利点(3月でも暖かいこと等)アピール」などを理由に、3月第1週または第2週の開催を強く要望しているようだ。が、選手の中には、開幕戦を開幕戦と位置づけない傾向が広まっている。 実際、大ベテラン・岡本綾子は、この変則日程となった00年から同大会に出ていないし、他にも「シード選手として2年連続欠場はできない(罰則、罰金制)から2年に一度は出るけど……」と、1年おきの参戦になっている者もいる。また連続出場者の中にも「正直、野球のオープン戦的なイメージ」でこの試合に臨む選手も多いようだ。 昨年、賞金ランク2位の肥後かおりは「この試合に照準を合わせるという感じではないです。暖かいから体調を崩すことはないけど、オフの間にやってきたことを実戦で試すという感じ。あと4週間空くので、この試合の結果で課題を作りそれをこなしていく。ただ、オープン戦的な捉え方をするのはスポンサーに失礼だと思いますが」と言う。 一昨年は「調整が間に合わず」この大会を欠場した原田香里も「どうしても今シーズンの手探り的な感じにはなってしまう。もちろん、開幕戦という意識は特別だけど、まだじっくりと体づくりをしていく段階で、ここにピークをもってくるという感じではない。いろんな意味で、オフの間やってきたことの一応の目安となる試合という位置づけです」と言い、この捉え方が選手間では一般的になっている。 もちろん、今回優勝した藤井や、天沼知恵子、小林浩美など前週ハワイでの米ツアー開幕戦に出場した後、沖縄に乗り込んでいる選手らは「2月にはクラブテストやハワイで試合に出ていたので、すでに試合モード。この後、4週間空くといっても、私は渡米してナビスコ選手権に出ますし」(天沼)と、開幕戦というよりは“今季2戦目”の感覚で闘ったようだ。 また「シード選手の多くが“調整感覚”で出てくるから、私たちにはチャンス」と、この変則日程を逆手にとって上位進出を狙う予選会上がりの選手たちが存在することも事実だ。 が、今回最終日のテレビ放映時間帯がモーグル中継のため深夜枠に追いやられたことや、ゴルフファンの「女子ツアーは開幕したはずなのに、なぜ試合がないの?」等疑問の声を聞くと、ツアーにとってのデメリットも心配。何か改善の余地はないものか……。