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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 4/9号
2002年更新
今年新規開催のシニアの試合で前代未聞!
最終日にプロアマ戦を同時開催の新方式
 バブルの一時期には年間25試合あった国内のシニアツアーだが、経済状況の悪化とともに年々試合数が減少。99年にはわずか3試合にまでなり、滅亡の危機に瀕したが、その後少しずつ持ち直し、今季は6試合に。そんな中、新規大会が、ツアー史上例を見ないユニークな形式での開催を発表、ひさびさにシニアツアーに注目が集まった。

 その大会とは、7月12~14日に開催、かつらでお馴染みのアデランスが冠スポンサーとなる「アデランス・ウェルネスオープン」。同社の系列コースの中条GC(新潟)で開催される。

 で、何がユニークかというと、その競技形式。最終日の決勝ラウンドに進む50位タイまでの選手うち上位36人はアマチュアと同じ組でプレー。プロ、アマそれぞれ2人ずつの4人が1組となり、18組でプロとアマが一緒に回るというのだ。

 当然中心となるのは、プロだけでの通常と同じ3日間形式の競技だが、その他にも、プロ全体VSアマ全体の勝負もあり、各組ごとに、プロ2人vsアマ2人のマッチプレーを行い、各ホールでプロ2人の悪い方のスコアと、アマ2人のよいほうのスコアで競い(アマチュアはアンダーハンディ)、勝敗が決まっても18番までプレーを続け、18組のアップ数の合計をプロとアマで競うという“もうひとつの試合”が存在するわけだ。

「おそらくツアー史上初の方式でしょう。日曜日に少しで多くのギャラリーを呼びたいとの思いから企画したのですが、今のシニアツアー、とにもかくにもまず観てもらわないことには、そのよさもわかってもらえないですからね」と、企画の動機を説明するのは同大会事務局委員を務める松井利樹プロだ。

 たしかに、ここ数年のシニアツアーの状況からすると、何か目新しいことをしないと、という気持ちはわからないではない。米ツアーでもAT&Tペブルビーチプロアマなどのようにプロとアマが同じ組でプレーし、プロ間の競技とプロアマのチーム戦を平行して行う試合もあり、今回の競技方式も、おそらくそれを参考にしたと思われるのだが……。

「一部の選手からは、いくら人気回復のためとはいえ、ちょっとやりすぎでは……との声もあったようですよ」と、あるツアー関係者が漏らすが、たしかに最終日、プロと一緒にプレーするアマ36人のうちタレントが約20人、そしておそらくこれも史上初だろうが、地元の男女ジュニアが各3人ずつ参加するという。一歩間違うと、トーナメントという真剣勝負の側面が薄れ、おちゃらけ的な要素の強い大会になってしまうのではと心配する声があがるのも当然だろう。

 しかし、出場予定のプロたちに意見を聞いてみると、「たしかに慣れていないので、僕も含め選手は皆、戸惑うと思います。しかし、その状況にいかに順応できるかという人間性というか、心の中での勝負も生まれるのでは。そもそも私自身、以前からファン獲得のため何か工夫をしなくてはと思っていましたから基本的に賛成です。試合中、何かしらのトラブルが生じるかもしれませんが、試行錯誤で新しいことをしていけばいいと思います」(高橋勝成)

「1日だけアマチュアと一緒にプレーするなら初日にやってもいいとは思うけど、プロの間での個人戦なのは変わらないのだし、試合を盛り上げるためと考えれば賛成」(杉原輝雄)

 といったように、概ね肯定的な声が多く聞かれた。

 ちなみに、出場タレントの中には、ゴージャス姉妹で知られる叶美香さんの名も。ちょっと心配してしまうのは、彼女と同じ組でプレーする選手。あのナイスバディがチラチラと横目に入ったら、いくらシニアとはいえそこは男。果たして勝負に集中できるのか? それとも、逆に発奮し、ナイスショットを連発するのか? いろんな楽しみ方ができそうなのは間違いない。

 それはそうと、この試合の優勝賞金1200万円は、現在の国内シニアツアーの中で最高額。そんな大会で優勝争いするプロと一緒に回るアマチュアたちも気を使って大変そう……。

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