週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
異常な開花時期に当惑しているのが、富士平原GC(静岡県)。同GCでは一昨年から「平原さくら祭り」を企画、桜の見頃に合わせて今年は4月18日~5月10日の日程で行う予定だからだ。 「コース内のあちこちに、天然の小さな桜の木が合計で1000本近くもあるでしょう。麓の開花から考えると、今年は4月早々には見頃を迎えそう。ですから4月18日からの『さくら祭り』では、お客さんから『時期がずれてるな』とからかわれそうですね」(木本昌和支配人) しかし、同GCでは年明けの1月に年間スケジュールを立て、年間手帳に記載して配布している。そのため、それ以降に状況が変わっても行事の日程は変えられない。まさしく「後の祭り」で、お天とうさんに任せるしかない。ただし、同祭りのメインは、9番グリーンを望む中庭にそびえる、樹齢百年の富士桜の下にしつらえた小屋でいただくダンゴと抹茶のサービス。「その桜は、花が半分、葉が半分の葉桜で、もともと花見向きではないんです」(木本支配人)。 つまり、最初から「花よりダンゴ」の催しということである。 つくばねCC(茨城県)では、7~8年前から開催している「花まつりゴルフ大会」と銘打ったオープンコンペを、今年は4月18日に予定している。もっともこちらは、お釈迦さまの誕生日の「花まつり」(4月8日)にちなんでの命名。例年、8日前後の開催だが、今年はたまたま時期がずれてしまった。 ところが、そのために今年は桜の見頃を過ぎた「花まつりゴルフ大会」となりそう? 「確かにソメイヨシノは散っているでしょうが、うちには開花が遅く寿命の長い八重桜が50本ほどありまして、ちょうどそれが満開の時期でしょうね」(浜名尚文支配人)と余裕の返事。 実は、同コースには開花時期の早い彼岸桜からソメイヨシノ、八重桜と数種類の桜がそれぞれ数十本ずつもあるため、例年3月中旬から時期をずらしながら、常時桜が咲いているのだそうだ。つまり、4月中旬ならば、どんな異常気象でも「花まつり」のネーミングに偽りはないらしい。 同様に、ハナから開花時期を気にしていないのが「桜花杯」(オープンコンペ)を企画している藤代GC(茨城県)。開催日は4月25日。例年でもすっかり葉桜の時期である。 「単に4月にちなんだネーミングで、もともと花見とは関連付けていません。見頃を考慮したものなら、当然もっと早い時期に開催しますよ。でも、今年はそうしないで良かったようですね」とフロント担当者の弁。 もちろん一般ゴルファーの間でも、4月に花見を兼ねたラウンドを計画し、気を揉んでいる人、逆に3月中のプレーで思いも寄らぬ満開の桜に迎えられた人など、悲喜こもごもの花見模様が繰り広げられているはずだ。