週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
長野県の立科芙蓉CCでは、冬季クローズ明けの3月23日から、希望があれば1組5名のセルフプレーを受け入れている。「6人でエントリーしたもののひとりがキャンセル。そこで、3人と2人に分けるより5人1組でプレーできないか、という要望も少なくないことから始めました。現在、15台の乗用カートの荷台を改造してキャディバッグを5つ積めるようにして、スコアカードも5名用のものを作りました。この形態が増えれば、混む時期にもお客を多く入れることができ、集客にもつながると期待しています」と八木秀夫総支配人。 試しにと、先日、1組5名のコンペを企画したら「12組の参加があり、結構需要があるものだと驚きました。最近はお客さんのほうも4人とか3人と、キッチリ人数を集めてエントリーすることが難しくなってきてます。今後、1組5名の需要が増えれば、さらに5名用のカートを増やすつもりです。こういう時代で集客を考えれば、ゴルファーのいろんなニーズに応えていかなくてはいけないと思います」とも。 実は、1組5名でプレーができるシステムは、すでに3年ほど前から大宝塚GC(兵庫)でスタート済み。 ところが、「実は、1年ほど前から、大っぴらにはPRしてないんです」(福中義信総務部長)と言う。その理由は「36ホール中、18ホールを乗用セルフプレーを中心として運営、1組5人でも可能だとPRしたのですが、「5人だとどうしても、4人の組よりプレーが遅くなり、後続の組からの苦情が多くなったんです。そこで希望があれば会員が同伴、責任を持って進行させる、ということを条件に許可しているわけです」(福中氏) 立科芙蓉CCも二の舞となる危険もあるわけだが、同CCの八木総支配人は「心配はしてません。5名だからといってプレーの進行が遅いとは限りません。先日の1組5名コンペのときに時間を測ったら、1、2組は2時間10分で回ってきました。ところが、後続の3、4組は2時間30、40分。その3、4組のプレーヤーが翌日、4名で回ったときもほぼ同じ時間がかかってます。1名増えたからといって単純にプレーの時間がかかるということではなく、プレーヤー個々のスロープレーが原因なんです」と話す。 そこで、対策も「5人だからといって特別に急がせるということではなく、3、4人の組に対すると同じように、地道にプレーの進行を早めて頂けるよう、指導していくしかないと思ってます。もちろん、空いている日なら後続の組との間隔を開けるとか、1組5人が遅延プレーの原因だと思われないような配慮はできる限りしていくつもりです。1組5人プレーを集客の起爆剤にしていきたい」と話す。 いかにお客を集めるかという現在の状況でひねり出されたアイデアだが、そのアイデアで、今もっとも注目を集めているのが西宮北ゴルフコース(兵庫)。なんと家族6人くらいまでなら一緒にプレーOK? というのである。 「家族のうち、誰がプレーしても構いません。たとえば、お父さんがプレーして、子供さんが見よう見真似でゴルフをして、お母さんが自然を満喫しながら一緒に歩く。そういう日を年に4回くらい設け、すでに2回実施しましたが好評でした。もちろん、他のプレーヤーがスタートした後の9ホールだけですが、家族でゴルフを楽しんで頂き、子供さんが将来ゴルファーとしてゴルフ場に来てくれたら、という考えで企画しました。ちなみに料金は1万円ポッキリです」(小西菶支配人) ただ待っていてもゴルファーは来ない。ならば、あの手この手で集客を図る。苦しい時ほど企画勝負。そういう時代に本格的に突入したようである。