週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
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　今季のソレンスタムの成績は群を抜いている。しかも、表中の2度の2位のうち1回はプレーオフ、もう1回は1打差の惜敗。つまり出場全試合で優勝争いに加わって、勝率50パーセントを誇るのだから、今、男女、シニアを問わず、世界でもっともホットなプレーヤーといって過言ではないだろう。

　昨年にも増して、今年の彼女は一段と強くなっているが、それを支えているのが、昨年よりもひと回り大きくなった身体をみてもわかるように筋力トレーニングの成果。さらにメンタル面でのユニークな工夫と数々のニューギアである。

　なにしろメジャーのナビスコ選手権で、皆を驚かせたのが、最終日に履いていた真っ赤なゴルフシューズ。赤の色は、闘志を掻き立てるとかで、メジャーの最終日に赤いシャツを着るというのはT・ウッズのパターンだが、その向こうを張って、ゴルフの伝統にはない真っ赤なゴルフシューズを履いて、優勝をさらっていったのだから、皆が驚いたのも無理はない。

　本人に言わせると「（ウッズ、D・デュバル、K・ウェブらとTVマッチを戦った）ビッグホーンGCで、ナイキのシューズを見て気に入った。これくらい派手なシューズを履く勇気があれば、（メジャーの最終日に）プレーするのなんかへっちゃらよ」とかで、ウッズとは若干異なるが、メンタル面での効果をも意識しているようなのだ。もっとも、「パットをする度に、つま先の赤い色が目に入るため、今後も履き続けるかどうかはわからない」とのことだが、ナイキによれば、「彼女は常に新しいものを試したがる」そうで、まだ発売前の新ラインの赤いシューズを送ったとか。

　昨年は、メジャーを含めて8勝を飾り、「歴史的な年」(T・ボウトウ、LPGAコミッショナー)を築いたソレンスタムだが、通常これだけの成績を挙げれば、守りに入るというか、用品などはとくに新しいものに替えないのが一般的。

　しかし、ソレンスタムは、新しいドライバー、新ボール、そして新パターをバッグに入れて戦っている。

　昨年後半より使用し始めたキャロウェイの「オデッセイ2ボールパター」では、これまで9戦5勝という成績を上げているし、キャロウェイの新カーボンヘッドドライバーの「C4」と「HXボール」との相性がよいのか、なんとドライバーの平均飛距離は、252.3ヤードで26位だった昨年から、今年は264.3ヤードと10ヤード以上も伸び、10位の福嶋晃子よりも上の9位にランクイン（4月10日現在）している。

　フェアウェイキープ率も78.1パーセントから80.3パーセント（同10日現在）にアップし、先のオフィスデポでは、1打差で優勝こそ逃したが、平均飛距離が271.7ヤードにフェアウェイキープ率が83.3パーセントと、まるで男子ツアーでも十分に戦えるかのような水準まで上げてきているのだ。

　99年、00年とK・ウェブに明け渡した賞金女王の座を昨年奪い返したソレンスタム。今季はすでに2位のL・ディアスの倍以上、56万3000ドル（同10日現在）を稼いで独走状態の超ハイペース。

　シーズンが終わることにはどうなっているのやら。