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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/28号
2002年更新
かつて、日本にも参戦、チェ・キョンジュが
韓国人初の米ツアーV、国内では英雄扱い
 かつては日本ツアーにも参戦、日本のファンにも馴染みの深い韓国のチェ・キョンジュ(31)が、先のコンパッククラッシックで米ツアー初優勝。女子ではパク・セリらが米ツアーを席巻している韓国勢だが、米男子ツアーでは初の快挙となった。

「韓国では国を挙げて盛り上がってます。パク・セリが全米女子オープンに勝ったときよりも凄いんじゃないかな。もう彼は英雄ですよ」と語るのは、『ゴルフダイジェスト・コリア』(米誌系)の日本支社長、ファン・ジョンギル氏だ。

 なにしろ、これまでアジアの国の選手で米ツアーに勝ったのは日本の青木功と丸山茂樹、そして台湾の陳志忠だけ。チェは今回2日目から首位に立ち、そのまま逃げ切り、韓国人として堂々の初優勝を飾ったのだから、大騒ぎになるのも当然だ。

「この勝利が韓国のプロゴルファーたちに、米ツアーに挑戦してみようという意欲を与えるものだと信じている」とチェ自身は語ったが、プロのみならず、韓国内でゴルフ界全体に与える影響も相当なもののようだ。

「彼のスポンサーになっているウェアメーカーの社長は何回もテレビに出演し、チェ選手との親交などについてインタビューを受けてます。どこのゴルフショップも『優勝記念セール』を開き、ゴルフ場には“祝優勝”の垂れ幕がかかってます。その人気からしても、私は女子ツアーでの10勝より、男子ツアーの1勝のほうが価値が高いと思います。また、韓国のゴルフ界全体に及ぼす経済効果は300億ウォン(30億円)以上と言われてます」(前出・ファン氏)

 そもそもチェは99年、アジアンツアーの一環でもあったキリンオープンに出場して優勝、日本ツアーの出場資格を得た。その年、12試合に出場、キリンのほかに宇部興産オープンにも勝ち、その年の賞金ランクで21位に入っている。その後、米ツアーに目が向いたわけだが、今回の優勝にも「10年計画で、米ツアーに挑戦した。この勝利は、思っていたよりも早い時期に訪れたが、それでも計画の予定には入っていた」とチェ自身は、さらに高い目標があることを仄めかしている。しかし、ここまで順風満帆で来たわけではない。

 韓国人初の米ツアーのメンバーになったときも、Qスクールでは35位タイだったし、00年のルーキーの年には賞金ランク134位で再度Qスクールを受け直している。しかし、D・ペルツに師事してショートゲームに磨きをかけ、昨年は80万ドル強の賞金を獲得。賞金ランク65位で初めて賞金シードをものにして、今季に臨んでいた。とはいえ、シーズン初戦のソニーオープンで7位タイの成績を収めた以外は、4月までは鳴かず飛ばずの成績。それが「ドライバーのシャフトを替えて、それが自分のフィーリングに合い、迷いがなくなった」ため、4月初旬のベルサウスで8位タイ、グリーンズボロで7位タイと来て、コンパックで初優勝を飾ったのだ。

 つまり、実力的にはトップと紙一重の所にいて、シャフト交換をきっかけにして、メンタル面での安定したことが、勝利を導いたということだろう。

「簡単な勝利ではなかった。グリーンが速く、非常にタフな試合だった」とチェは語ったが、コースコンディションだけでなく、D・トムズやP・ミケルソンといったビッグネームも優勝争いの圏内に入っており、その彼らを退けての優勝だけに意義は大きい。

 米女子ツアーでは、現在韓国勢に大きく水を開けられている日本勢だが、男子ツアーでも、うかうかしていると、近い将来、韓国勢にリードされてしまう!?

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