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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 5/28号
2002年更新
“早朝・薄暮は無料”“土日もOK”など
一歩進んだプラスαの年次会員制度が登場
 休眠会員の増加でスタート枠の空きに悩むゴルフ場が、有効期限を限定した年次会員制を採用する例はもはや珍しくない。「今さら……」と目を向けずにいたら、いつの間にか随分と使い勝手の良い、魅力的な年次会員が増えていた。

 そのひとつが富士エースGCの「アーリーバード会員」。3月募集開始(会費3万円)で9月30日まで有効という、わずか半年間の短期会員の制度だが、その間は会員としてプレー権が利用できるだけでなく、早朝・薄暮のハーフプレーが無料になる特典が付いているのだ。驚くことに乗用カートもタダ。払うのは利用税の800円だけ。

 本コースでプレーしたいけど、まだまだ技量が……、と足踏みしがちなビギナーをゴルフ場に引き込むことを主眼に考えられた企画だという。考案したのは昨年から同GCの運営を担当しているY&S。これまでも、千葉県で休場日のゴルフ場を借り受け、営業を代行する(独自に集客、運営)など、ユニークなゴルフ場活性策を実施してきた会社である。

「ゴルフ場はせっかく素晴らしい施設が持ちながら、それを使わない時間が多すぎるんです。その眠っている時間を起こして、必要とするゴルファーに提供しようというのが私たちのコンセプト。今回のアーリーバード会員もその発想から生まれた企画です」(湯浅啓一総支配人)

 地元FM局での告知と口コミだけで、すでに130余人が入会。多い日には1日20~30人の会員が利用している。なかには早朝ハーフをプレーした後、昼間は近くでテニス、午後に再度薄暮ハーフプレーする、何とも羨ましい会員もいるそうだ。

「意図した通りに、メンバーさんがお子さんを会員にして、練習を兼ねてプレーするケースが多いようです。他には、ビギナーの友人や恋人を誘う例も目立ちます。我々としては、無料プレーで早く上達して頂き、ゴルフの楽しさを覚えてもらい、そして通常の営業枠に来てくだされば嬉しいのですが……」(前出・湯浅氏)

 なお、同GCでは、コース管理(芝の傷み具合)をにらみながら、また早朝・薄暮のスタート枠に余裕を残した段階で締め切りたいとしている。

 もうひとつの使い勝手の良い年次会員は、藤岡GC(群馬県、36ホール)の土・日もプレー可能な年間会員「フレンドリー会員」。入会費8000円の同会員になれば、コースは限定され、また予約受付も正会員より1か月遅れとなるが、休日も申し込むことができる。しかもメンバーフィ・プラス1000円でプレーできるのだ。「休眠状態の会員が多くなり、ピーク時と比べますと、休日でも70パーセント程度の入りです。とくに西コースはスタート枠に余裕があるので、会員のプレー権が守られる範囲で募集しています」(募集代理店担当者)

 実は、同GCは民事再生法を申請している折り、再建に向けて営業機会を増やさなければならないという事情もあるようだ。それでも、この制度は日頃から同コースを利用しているゴルファーにはありがたい。

 募集開始から1か月余りで、すでに100人ほど入会しているという。

「やはり、会員さんのご家族が入会する例が多いですね」(前出・担当者)

「年次会員」制度自体に目新しさはないが、中身を吟味すると魅力的なものが他にもあるかもしれない。

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