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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/11号
2002年更新
会社更生法に一本化した清川CCだが、今度は
外資と会員組織とが独自更正計画案で対立
 会社更生を主張する会員組織と、民事再生を主張する会社側の対立がようやく解決し、会社更生手続で一本化され、ようやくズムーズに再建に向かうかと思われた清川CCが、今度はスポンサー問題で揺れている。

 清川CCの経営母体は、タレントのマリアンの元夫・佐藤友久氏が社長を務める五洋物産(株)だが、コースに設定されている抵当権を譲り受けたローンスターグループのスターファイナンスが競売手続きを取ったことをきっかけに、会員組織が昨年5月に横浜地裁の会社更生手続開始を申し立てた。

 会社側はこれに対抗、東京地裁に民事再生手続開始を申立て、横浜地裁と東京地裁に分かれて会員と会社側が対立したが、法律上更生手続のほうが民事再生より優先するため、昨年8月に横浜地裁が東京地裁に民事再生手続の中止命令を出して方向性を定め、10月には開始決定を下して更生法に一本化された。

 この段階で、すでに会員組織である清川クラブ(通称)賛同者から計約30億円の出資金を集めており、予定通り進めば申立からわずか1年余りのスピード認可もあり得ると見られていた。状況が一変したのは今年3月にローンスターグループが、正式にスポンサー候補に名乗りを上げてからだ。従来の予定では、6月28日には管財人が更生計画を発表することになっていたが、それはあくまでスポンサーが清川クラブだけの場合の話。4月15日には清川クラブ、ローンスターグループの双方が、それぞれ管財人に対し、計画案を提出した。

 この結果、更生計画案の提出期限は約半年延期される方向になったのだ。

 管財人の立川正雄弁護士は、「花嫁一人に花婿候補が二人になってしまい、両者の調整には半年は必要だと判断しています。更生法の場合、スポンサーが現れず、破産に至るのならともかく、スポンサーが多すぎてまとまらないというのではあまりにも不幸。何とかお互い歩み寄ってもらい、まとめ上げたいと思っているのですが……」と、嬉しい悲鳴どころか困惑を隠せない様子。

 双方の計画案を見てみると、まず、ローンスター案は、追加金なしで会員全員のプレー権を保証、名変料は現行の65パーセントに引き下げ、新証券も発行して早期に名変を再開、会員の追加募集も大量の退会者が出ない限り行わず、『格調高い会員制ゴルフ場』を目指し、低料金のパブリック的運営はしない、というもの。資金面でも3億円程度の設備投資資金を用意する考えで、必要に応じて同グループの東京スター銀行からの融資も検討しているという。

 これに対し、清川クラブ側の案は、同クラブへの参加者のみにプレー権を与え、すでに拠出済みだが、約1600名から総額約30億円の追加金を求めた点などでローンスター案と対称的だが、名変料を半額に引き下げる点、8年で4億円の設備投資を実施する点など、共通点も少なくない。にもかかわらず、双方とも単独での経営を主張、歩み寄る姿勢が見られない原因のひとつは、清川クラブが外資の利益追求の経営スタイルに対し強い不信感を持っているためだ。清川クラブの代理人である今井征夫弁護士も、「いいことずくめのような案だが、本当にこの案の通り実行する保証はない。現実に利益が出なかったら瞬く間に方針は変わるのでは」と懐疑的なのだ。

 ただ、現実的には「清川クラブが圧倒的に不利」(大手銀行回収担当)だという。というのも、更生法の申立時点では極度額4億円分の抵当権しか買い取っていないと見られていたローンスターグループは、他の担保権を買い増し、更生担保権の95パーセント、一般更生債権の約60パーセントを握ったことを公表しており、圧倒的にローンスター案が支持される可能性が高くなっているのだ。しかし、今井弁護士は「ローンスターは借地部分の地主との交渉は管財人がやることを条件にしていますが、我々なら自力でできる」と希望は捨てていない。また、起死回生を狙って担保権を持たない一般更生債権とは別に預託金債権者のグループを作ることも要望、「(更生担保権者、一般更生債権者、預託金債権者の)3組のうち1組でもローンスター案が否決されれば、可決組に対し強権を発動できる更生法の規定を受けられるのでは」と期待している。

 ただ、「1000億円ある負債のうち、預託金債権はたった183億円で会員は少数派。どう考えてもローンスターが有利」(前出回収担当)。

 会員による自主再建としては最速のケースとなる可能性が、どうやら遠のいた感のある清川CC。30億円も集めた会員のコースへの愛着が、果たして報われる方向で決着するのかどうか。成り行きが注目される。

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