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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 6/25号
2002年更新
なぜか米国で一番野次られるモンゴメリー
見るに見かねて米国で異例のキャンペーン
 今週の全米オープン開幕に合わせ、ユニークなキャンペーンが話題を呼んでいる。その名も『モンティ(C・モンゴメリーの愛称)に優しくしよう』キャンペーン。スローガンが書かれたバッジも制作され、全米オープン会場ではギャラリーに無料配布されるという。

『BE NICE TO MONTY(モンティに優しくしよう)』は、米ゴルフダイジェスト誌が独自に考案した一般ゴルファー対象のキャンペーン活動だ。同誌は1950年代から、ゴルフ界における人種差別撤廃やスロープレー排除、カートプレーに頼らぬウォーキングの推奨、キャディ&ジュニア育成などをテーマに様々なキャンペーンを打ち出してきた。

 しかし、特定の選手の名を冠したキャンペーンは、きわめて異例。今回のキャンペーンは、同誌6月号や他のゴルフ誌でも紹介されているが、同時に全米のゴルフメディア宛にも案内書とキャンペーンバッジが送付されるなど、力の入れようもきわめて異例だ。

 案内書には「今年の全米オープンはニューヨーク近郊で開催。口の悪いニューヨーカーからモンティを守ろう」とある。

 同誌スポークスマン、アンドリュー・キャッチャー氏によれば、「今年2月のWGCマッチプレーで、モンティがひどい野次を受け、『もうアメリカではプレーしない』と発言したことが、キャンペーン考案のきっかけになった。モンティ本人を野次から救おうという目的もあるが、キャンペーンの根幹はアメリカのゴルフギャラリー全体のマナー向上を図ること」とか。アメリカ人ギャラリーがモンゴメリーに対して飛ばす野次は確かにひどい。

 スコットランド人で米ツアーメンバーではない彼は、米国内の大きな試合を中心に出場するため、モンティが野次られる場所は、メジャーやメジャー級のビッグトーナメントということになる。欧州ツアーでは7回も賞金王に輝き、ここ10年間、世界を代表するトッププロの座をキープしているが、米国では未勝利のモンゴメリー。それゆえ必死の思いで米国内の試合に出場すると、その矢先に野次られるというのがパターン化しているのだ。

 とりわけ、99年のライダーカップにおける“モンティ攻撃”はひどく、それ以来、事態は悪化の一途。今年のマッチプレーに続き、3月のプレーヤーズ選手権でも、モンゴメリーの縮毛の頭を指して、「今度アメリカに来るときは、そのヘッドカバーを外して来いよ」などという悪質な野次が飛んだ。

 モンゴメリー本人は「野次を受けるのは私だけじゃないし、野次を無視することも覚えた。99パーセントは無視できる。でも、どうしても無視できない残りの1パーセントのひどい野次には耐えられない」と語っており、そんな彼を野次から守るために、キャンペーン実施が決定したのである。

 前出のキャッチャー氏いわく、「すでに読者からは肯定的な反応を得ています。全米オープンでは2万5000個のキャンペーンバッジを駐車場や会場入り口、18番ホール近辺などで無料配布しますが、希望者は郵送やインターネットで手に入れることも可能」とのこと。

 しかし、米国内ではすでに「BE NICEのNを塗りつぶせば、BE“ICE”TOMONTY(モンティに冷たくなろう)になる」などというふざけた声も聞こえてくる。果たして、キャンペーンの効果はいかに? 全米オープンでのギャラリーの態度に注目したい。

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