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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 7/9号
2002年更新
米ツアー・フル参戦1年目の田中秀道
シーズン前半戦を終え、本人の満足度は?
 全米オープンが終わり、米ツアーはすでにシーズン後半に入った。今年からフル参戦を始めた田中秀道は、6月17日現在で賞金ランクは128位と、前半ではまだ実績を残せていないが、予選を勝ち抜いて自力出場を果たした全米オープンを経て、シーズン後半を迎える心境はいかに------? 大会翌週に聞いた。

------今、シーズン前半を振り返って思うことは?

「右も左もわからないまま米ツアーにきて、気がつけば周囲のレベルの高さや層の厚さに自分が焦り、空回りしていたような気がします。そのときそのときは焦っているなんて自分ではわからなかった。でもリーダーボードを見たりすると、こんなにすごいスコアなんだなあと思い、結果として焦っていた。今、振り返ってみれば、そう感じるんです。自分の実力が出せないまま、自分の実力以上のことをやろうとして空回りしていた」

------米ツアーの選手を間近に見て、どんなことを感じている?

「すごくハイレベルなのは有名な一部の選手。その下の層の厚みがすごい。ただ、マネジメントとスコアメークに優れている選手が多いけど、だからってそれほどビビる必要はない」

------米ツアーにおける自分の位置づけは?

「飛距離的には真ん中よりやや下ぐらい。最初のころは、皆結構飛ぶなと思い、負けずに振り回していたこともあったけど、20ヤード伸ばそうとしてマネジメントがおかしくなるぐらいなら、今の飛距離のままマネジメントをしっかりしようと思えるようになった。少し余分に飛距離が出たとしても、それが思い切りアドバンテージ(有利)になるわけじゃないですからね」

------今後、必要なものは?

「自分のゴルフを一生懸命やる精神的な強さを持つこと。自信を持つということです。4月、5月ごろは自分がアメリカで通用しないんじゃないかと思い、ネガティブになっていた。いいスコアを出したい、ラッキーでもいいから出てほしいと思い、実際に数字が出ないことで自信を失いかけていた。これからは自分のゴルフに信念を持ってやっていきたい」

------技術的課題は?

「正確なドライバーショットを打つこと。自分の飛距離を保って真ん中に打つこと。それと、バーディを取りに行って3パットするような、“しなくてもいい”ミスをしないこと。要するに基本を守ることです」

------全米オープンでの収穫は?

「今年初めて自分のゴルフができたという満足感が得られました。ただ、PGAツアーはバーディラッシュのゴルフ、全米オープンは我慢比べのゴルフだと最初は思ったけれど、よく考えてみれば違いなんてないと思い直した。結果的にPGAツアーと全米オープンとでは出てくるスコアが違うというだけのこと。どちらも1打でも少なく上がることを目指すのみ。全米オープンでは、スコアや成績以上に自分のゴルフをしっかり作っていくことの大切さを思い出し、自信が付きました

------スポット参戦していたときと現在を比べ、生活面などで何か違いを感じている?

「スポットで来ていたときは英語がわからなくてイラつくこともあったけど、今は大丈夫。今の自分の英語力はアメリカ人の“生後8カ月”のレベルですけど、聞いていてそこそこわかるようになってきた。返答の仕方がまだわからないけど、前向きに周囲に話しかけるようにしています。食べ物はファーストフードでもOK。ただ、最近はさすがにちょっと飽きてきたけど基本的には大丈夫」

------シーズン後半をどんなふうに過ごしたい?

「前半期はベスト10に入るぞ、シードを取るぞ、って焦っていたけど、これからは数字ではなく手ごたえを大事にしたい。余裕のあるゴルフができたぞという具合に満足感を得ることが先決。そうすれば数字は後から付いてくる。来年も再来年も、米ツアーにいたいですからね」

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