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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/10号
2002年更新
高橋勝成が2連覇したファンケルで
欧州シニアV3選手の特典が議論に
 今季、日本シニアツアー3試合目となるファンケルシニアオープン(静岡県・裾野CC、8月23~25日)に、欧州シニアツアーで3週連続優勝のジャパニーズ旋風を巻き起こした須貝昇、海老原清治、滝安史(ドラゴン)の3選手が揃って出場した。試合は2000年にシニア入りして以来、2年連続で賞金王を獲得した高橋勝成が、危なげない試合運びを見せ、同大会2連覇を果たした。

 須貝、海老原、滝、3選手の欧州ツアーでの活躍が大々的に報道されたためか、同大会の最終日のギャラリー数も昨年の1206人から1455人と約17パーセント強の伸びを見せ、年間6試合と低迷する日本シニアツアーに明るい材料を提供する形にもなった。

 一方では3選手の海外での活躍は「考えてもいなかった嬉しい誤算」(日本プロゴルフ協会関係者)と、どう評価し、どのように処遇するべきなのかという新たな課題も発生した。

 例えば、須貝の場合は、日本シニアツアー2試合目のアデランスウエルネスオープンで予選落ちをしているため、ファンケル以前の日本での獲得賞金額は17万円余りで、ランキングは69位だった。もし須貝が全英シニアオープン以後も欧州シニアツアーに続けて参戦するという選択をしていたら、日本の試合数が少ないためシードを落とす可能性も否定できなかった。そうなると、日本シニアツアーは、むざむざ客を呼べる数少ないスター選手を失うことになるわけだ。今回、須貝は9位タイに食い込み100万円余りを加算したものの、まだランクは26位で、15位までの賞金シードには届いていない。

 今年4月に発足した「シニアツアー選手会」は同大会初日に臨時役員会を開き、海外ツアーで活躍した選手をどのように処遇するべきかを巡って話し合い、PGAシニア部会に対して、一定のシード資格を与えるよう要望することを決定した。

「具体的な内容については、まだ正式にシニア部会へ伝えていませんので、お話しできませんが」と前置きして鷹巣南雄選手会長は、「欧州ツアーで活躍した選手には、なんらかの特典を与えるように、個人的にではなく、選手会として要望します」と明言した。

 それを受けた松井功シニアツアー部会長は、「まだ非公式ですが、欧州ツアーで活躍した選手に何らか特典を与えて欲しいという話は聞いています。前向きにシニア委員会で諮って、理事会で決定するようになると思います。いいことは、早めに結論を出して正式に発表したいですね」と話した。

 特典については、須貝、海老原のケースでは3~5年程度、滝については1~2年程度の複数年シード、という案が有力のようだが、選手会内部でも海外タイトルの重みを巡って意見が分かれたようだ。

 高橋勝成は「全英シニアオープンにしても、欧州ツアーの賞金王にしても、大変な偉業です。これを機会に日本のシニアツアーが大きくアピールできるのですから、最大限の特典を与えていいと思います」と積極論だ。

 また、海老原は「そういうことを検討してもらえることは大変ありがいたいこと。僕のためだけではなく、後から続く人たちも海外に出やすくなりますから。それが発展して日米欧のシニアが同じフィールドに近づければ、ゴルフの幅が広がって日本のシニアのレベルアップにもつながります。日本人は器用ですから、海外の選手の技術を間近に見られればもっと上手くなりますよ」とコメント。

 海老原は、ほぼ欧州シニアツアーの賞金王が確定していて、その資格で米シニアツアーのファイナルクオリファイを受ける予定になっているが、現在の日本の賞金ランクは19位と微妙な位置にいる。シニアツアーの出場カテゴリーには生涯獲得賞金ランキング20位以内(レギュラーとシニアを合算)というものもあり、須貝は16位、海老原は17位にランクされているため、そう簡単に出場権が喪失するとは思えないが、やはり心置きなく海外で戦ってもらうためにも、きちんとしたPGAのバックアップが望まれる。

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