週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
優勝者は試合期間中に21歳になったばかりのアリゾナ州立大4年のリッキー・バーンズで、テキサスのハンター・マーハン(20)を2&1で下しているが、今年も含め地区予選から2度全米オープンに出場した経歴を持つ有望株だ。 彼らに限らず若年化は急激に進んでいる。これまでの全米アマでは30代、40代の中年プレーヤーが1人ぐらいは上位に残っていたものだが、今回ベスト8に残ったのは、最年長が23歳で、最年少が16歳。平均年齢は19.6歳とついに20の大台を割ってしまったのだ。 そういえば、タイガー・ウッズは18歳から20歳にかけて、この全米アマに3連勝したが、こうした若年化傾向の裏にはウッズの陰も見え隠れする。 今回優勝したバーンズは、来年の全米オープン、オリンピアフィールズで、ウッズと同じ組でラウンドすることがほぼ決定したが、「今は彼(ウッズ)が最高のプレーヤーであることは間違いがない。僕は、確かにアマチュアで、まだこれからだけど、彼の代わりなるプレーヤーになりたいと思っている」と頼もしい発言まで飛び出ている。 今年の全米アマには、クレッグ・スタドラーやジェイ・ハースの息子たちも参加しているが(メダリストとなった20歳のビル・ハースはベスト8で、22歳のケビン・スタドラーは、ベスト16で敗退している)、ウッズを脅かす次世代プレーヤーが、確実に育ってきている。 この若年化現象について、往年の名プレーヤーのジョニー・ミラーは、今年の全米オープンで息子のアンディー(24)が出て、その際に行われた記者会見でこう語っている。 「何といってもタイガーの影響で若者がどんどんゴルフを始めている。それにタイガーが凄いのは、あらゆる面で若い選手の目標になっている点だ。僕の時代にも、スター選手はいたけど、パーマーやトレビノのスウィングは個性的で誰も真似しようとは思わなかったし、二クラスにしてもあの右ひじの上がったスウィングを誰もやろうとは思わなかった。しかし、タイガーのスウィングは、まさに教科書のようで、若いプレーヤー皆が彼のマネをし、それを超えようと努力している。そのため、ストレッチや筋力トレーニングなど、練習方法も変わってきている。タイガーに対して、『彼はもう年寄りだ』なんて言うプレーヤーが現れるのもそう遠くないだろう」 今回の全米アマに優勝したバーンズは、タイガーの3連勝をテレビで観て育ったと語っているが、タイガーが初めて全米アマで優勝したのは、94年でもう8年も前のこと。つまりは、タイガーに憧れ、タイガーのパワーゲームをコピーして育った世代が、力をつけてきたということのようだ。