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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 9/24号
2002年更新
プロマッチを制した佐藤信人は
賞金王より米ツアー受験を優先
 今年で28回を数える日本ゴルフマッチプレー選手権(北海道・ニドムクラシック、9月5~8日)は、現在賞金ランクトップを走る佐藤信人と今季初出場の新鋭・近藤智弘が決勝戦に進出し、32ホールのマッチの末、佐藤が5&4の大差で近藤を下した。これで佐藤は一昨年の日本プロ選手権、今年の日本ゴルフツアー選手権に次いで、複数年シードが懸かった日本タイトル3つ目を手にした。

 優勝した佐藤は、これまで3回戦進出が自己最高で、7戦して3勝4敗とあまりマッチプレーを得意としていなかった。

「なんだか大げさかもしれないですが、新境地を切り開いたというか、自分の不得意分野と思っていたので、嬉しいですね。」と佐藤。確かに一昨年に日本プロなど4勝を挙げて賞金王争いを繰り広げていたころよりも落ち着いた戦いぶりが目立った。これで佐藤の獲得賞金は1億円を突破し、またも賞金王を狙える位置で秋の陣を迎えることになった。

 近藤は1回戦で鈴木亨を破ると、2回戦では昨年の覇者、ディーン・ウィルソン、さらに3回戦で室田淳を下し準決勝に進出し、1アップという僅差で片山晋呉にも勝ち、決勝へこまを進めた。

「みなさん実力のある方ばかりでしたので、勝てて相当自信になりました」と決勝戦に意欲をみせていた近藤は、これに勝って一気に賞金ランクベスト10入りの計算をしていた。

 米ツアーのQスクールの申込み期限が9月13日と迫っていたが、その時点で日本ツアーの賞金ランク上位10位以内で希望する者3人にファイナルから受験する権利が与えられる。マッチプレー以前の近藤の獲得賞金は2700万円余りで17位。今大会の優勝賞金3000万円を加算すれば、同ランク3位の久保谷健一を抜いてファイナルQスクール受験切符を無条件で獲得できたわけだ。

「プレー中は、勝てばファイナル、そればかり考えていました。でも2次から受験する方向で考えたい」と近藤。

 2位の賞金1500万円を加算し、賞金ランクは8位。「10位以内」という条件はクリアしたものの、それより上にQスクール受験希望者が3人以上いれば、やはり2次からの受験となる。

 一方の佐藤は「Qスクールはシーズン前から考えていたことですから、もし賞金王争いをするようなことになっても、米ツアーを優先するつもりです」とアメリカ挑戦は折込済みだという。

 米ツアーのQスクールの他に、この日本プロマッチが出場資格のタイムリミットになっていたのが、WGC主催の「アメリカンエキスプレス選手権」(9月17~22日)だ。こちらは9月9日時点の日本ツアー賞金ランク上位3人が有資格者になるが、Qスクールとは違い繰り下がりはなく、辞退者が出ても補充はない。

 今回の開催地はアイルランド。その次週に米国対欧州のライダーカップがイギリスで開催されるため欧米の上位選手にとっては出やすい条件が整っているものの、日本からの参加はその前後の2~3試合を犠牲にしなければならず、いかに大きな大会とはいえ、簡単に日程に組み込めないのが実情だ。

 賞金ランクトップの佐藤もやはり「サントリー、全日空、アコムに出ます」と欠場を表明。また2位の谷口も欠場するという。日本人の参加は丸山茂樹と久保谷健一の2人になる模様だ。

28年の歴史に終止符!?

 ところで、95年以来6年にわたって冠スポンサーとして大会を支えてきた消費者金融のプロミスが昨年限りで、次のスポンサーが決まらないまま今年の開催に至ったが、「日本プロマッチプレーも今年限りの開催になるのでは」という噂が絶えなかった。

 マッチプレーを主催する日本プロゴルフ協会の副会長、勝俣功PGAツアー競技管理委員長に「噂」を確認したところ、「スポンサー探しにいろいろ手を尽くしてきましたが、今のご時世で応じてくれる企業を見つけるのは困難で、これ以上冠なしで大会を続けていくことは難しいと考えています。まだこれからもスポンサーを探す努力は続けますが、一応今年一杯をメドに存続を決める方針です」とのこと。つまり年内にスポンサーが現れなければ、今年の佐藤信人が最後のチャンピオンとなってしまうわけだ。

 数々の名勝負を生み、また優勝すれば、翌年から3年のシード権(2000年までは5年シード)が貰える試合として国内では、日本オープン、日本プロ選手権(それぞれ5年シード)に次ぐ“メジャー”と格付けされている日本プロゴルフマッチプレー選手権が、今年限りで28年の歴史を閉じる模様だ。

 先ごろ、静岡オープンもツアーから撤退を表明したばかり、何とか打つ手はなかったのだろうか。

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