週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
このアンケートは、同社が昭和54年から2年に1回行っており、ホームコース(会員権)を持つゴルファーを対象にしたもので、有効回答3万8531件、対象844ゴルフ場は、「わが国最大規模のゴルフ場調査」(同社総合企画室・花上滋氏)というものだ。調査は従来のコースレイアウト、コースコンディション、スタートの取りやすさ、クラブの雰囲気などに、今年から「クラブ競技会のスタートの取りやすさ」を加えた13項目について、ゴルファーに5段階評価をしてもらうというものだ。 今回、クラブ競技のスタートを新たに加えた点について、「近年、会員権を購入される方々の多くが重視されるのが、経営母体の安定と、ひとりでもプレーできるか、といった点。プレー権重視の傾向は明らかですが、中でも競技志向が高まっており、そうした時代のニーズを受けて、新たな項目として設けたものです」(花上氏)。 その“新項目”で、関東地区のトップ10に入った金乃台カントリークラブ(茨城)では、「大変光栄なことです。ただ、クラブ競技について、特別に何かをしているわけではなく、1290名のメンバーさんのことを最優先してきた、開業以来の経営姿勢が評価されたのだと思っています」(同CC・鎌田和美副支配人)。 第1回調査の昭和54年には、土、日、祝日にビジターを同伴してプレーできるかどうかも、ゴルファーにとっては重要なチェックポイントだった。しかしバブル崩壊で接待ゴルフが減少、競技志向の高まりは時代の流れ、といったところか。 金乃台はこの他、「クラブの雰囲気」でもトップ10入りを果たしており、「投機目的が減り、プレー権がより重視される中で、クラブライフの充実に注目されるお客様が増えています。今後もこの傾向は続くのではないでしょうか」(前出・花上氏)。 さて、地区別の傾向を見ると、関東では72年の歴史(昭和5年開場)を持つ我孫子GCを筆頭に、総合評価でランクインしたすべてが40年以上の歴史を持つ伝統コース。我孫子と昭和29年開場の鷹乃台CCを除けば、いずれも昭和30年代の開場というのも特徴的だ。これに対し、平成に入って開場したコースが、関西では1、中部、北海道ではそれぞれ3コースがランクインしている。 ともあれ、会員権の財産としての価値が低くなった一方で、会員権の価値やゴルフの楽しみ方が多様化しているのは確かなようだ。それだけに、これからメンバーになろうというゴルファーには、大きな指針となるアンケートであると同時に、こうしたゴルファーの評価が会員権市場にも影響を与えそうだ。