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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/8号
2002年更新
女子ツアー前半戦で早くも4人シード確定
だが、そのうち3人は後半戦出場権なし
 国内女子ツアーは、今季メジャー第1戦の日本女子プロ選手権が終わり、来週は同第2戦・日本女子オープン。シーズンのヤマ場を迎えているが、今年は珍現象が起こっている。前半戦終了時までに初シードを決めた3人の選手が、後半戦にはほとんど出場していないのだ。

 女子プロ選手権で単独3位に入る健闘を見せ、一気にその存在をゴルフファンにアピールしたのは西塚美希世。ツアーで一緒に行動する不動裕理同様、ルックスは地味系の選手だが、プロ8年目、31歳、今季はノーシードからカトキチクィーンズ3位タイ、ゴルフ5レディスで3位と頑張り、ツアー前期だけで1400万円余を獲得し、早々に念願の初シードを確定させた。

 が、女子プロ選手権はなんと6戦ぶり、7月以来のトーナメント出場だった。今季後期分の統一予選会に失敗し、8月第1週のヴァーナルオープン以降の試合出場権がなかったのだ。このひと月余りは滋賀県の所属コースで一人黙々と練習する日々を送り「とくに自分の弱点になっていた」パッティングを特訓、その成果を見事公式戦の舞台で披露したのだからいうことないのだが、これでまた今後は「前半戦の賞金ランクで出場資格のある日本女子オープン以外は……」と“冬眠”ならぬ“秋眠”を強いられる。

 また、この西塚とほぼ同じ境遇にあるのが、大山志保。日大ゴルフ部出身で、不動と同じ清元登子門下生、熊本中央女子高2年で日本女子アマを制した逸材だけに大物の呼び声高いプロ3年目だ。昨年のアジアサーキット・マレーシアオープンでプロ初優勝を飾り、さらに今季は3月中旬のステップアップ(二部)ツアーでも優勝。勢いに乗って地元・熊本開催の再春館レディースで2位タイなど活躍、前半戦で来季の初シードを決めたが、これまた後期統一予選会ではつまづき、西塚と比べれば主催者推薦等での出場機会に恵まれそうではあるが、活躍の場は限られた状態だ。

 この2人に加え、もっとひどい状況にあるのが山崎礼奈。東尾理子らとともに99年のプロテストをトップで合格している26歳の4年生で、今季は5月の高額賞金大会ヴァーナルレディスで2位タイ、いち早く初めてのシード権獲得を確定させているのだが、「後期は地区予選で失敗、統一予選にすら行けなかったので、出場選手数の多い、日本女子プロ選手権にも出られなかった。今年はもう、来年を目指しての練習とトレーニングの日々です」と話している。

 ほかに初シードを決定しているのは我妻こずえ。ただし、こちらはカトキチクィーンズ初優勝でのシードなので『過去1年間のLPGAツアー競技優勝者』という資格で今季最終戦までほとんどの試合に出られる。

 これだけまとまって“前期だけで初シード”が生まれたのは、おそらく初。4人に続いて、表純子、村田理恵らも、そろそろ初シードを確実にしそうだ。

 西塚はシード確定時に「QT行かなくていいですね? やった~!」と喜んだが、まさに今年から導入するQT(クォリファイングトーナメント)導入が、ツアー中間層の選手たちを刺激していることは間違いない。

 とはいえ、もともと「そのときそのときの“旬”の選手をトーナメントの舞台に出したい」というのが方針だったLPGA。ツアーを盛り上げるために、それは至極真っ当な考え方だが、せめて「現在はまだ検討事項」というリランキング制度ぐらいは早く取り入れていかないと、ツアー出場者が1年間通しで固定される来季以降、下手をすると新しい若い芽を摘んでしまう事態も起こりかねない。

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