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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/15号
2002年更新
ANAオープンで久々優勝のジャンボ
「相手のミスを期待した」との心情も吐露
 先のANAオープンで、2年1カ月ぶりにツアー優勝を果たしたジャンボ尾崎。丸山、伊沢、片山らの国際的な活躍の陰にすっかり隠れてしまっていたジャンボだが、30年前の第1回大会でも優勝しているゲンのいい大会で見事7度目の優勝、その存在感を再びアピールした。最終日、優勝直後の記者会見の模様をお伝えしよう。

------優勝おめでとうございます。

「(優勝は)777日ぶり? 誰が計算したんだ(笑)。まあ、嬉しいことには違いないけどね。自分がこういうふうになるってこと、信念持ってやってきたからね。でも、この777日の間は、人生の中で一番充実した日々を送れたね。ゴルフってのは、もちろん良い面を求めてやっているんだけど、追求すればするほど悪い面も出てくる。そういう戦いが2年くらいできた。人間としての充実感、自分でよくやったなって非常に感じるね。こういうことは、人生においてなかなかない。試合が終わると、日曜の夜から、ずっとゴルフの技術的な分野、肉体的な分野を追求してきた。そういう成果が出たので、非常に満足感が大きいね」

------藤田選手については?

「今日はすごく良いゴルフをしていた。隙がなかったね。その中で彼のミスを期待する自分がいたりしてね、すごく情けなかったね。15番で、彼がグリーンを外したときにパーで切り抜けた。でも、自分の心の中では『ボギーにしろ、ボギーにしろ』って思っているんだけど、人のミスを待つより、自分でバーディを獲りにいかないとという気持ちが強くなって、16番でいいバーディが来た」

------17番の第2打について。

「どういう当たりをしたのかわからないけど、あそこまで球が飛んでくれるとは思わなかった。半分、シャフトが折れてもいいと思って打った。でも、グラファイトで形が戻るから、まあ疲労骨折くらいはしているかもしれないけどね(笑)。藤田のセカンドの狙いは、よっぽどいい球打てないとナイスショットできない。自分もあそこに打ったことあるしね。林に入ったのは、彼にすればトライしてバーディを獲りに行った結果だからしょうがない。そういう気持ちが、彼を支えているんじゃないの。トライして、悪い結果になるかもしれないけれど、前向きなトライをすることは基本的に必要だから」

------ジャンボさんの17番の第2打は当たり前のこと? それとも“トライ”ですか?

「う~ん、なんだろうな。あの状況では、どこまで距離が出るか計算できない。ちょっと左右にずれても、第3打で木が邪魔になるし……。3打目を狙える場所に運べたのは、結果的には会心のトラブルショット。あれを見て藤田が狙いにいったんじゃないかな」

------この優勝までで一番苦しい時期はいつだった?

「苦しいのはしようがないこと。頑張って一生懸命やっても、今回のように(坐骨神経痛からくる)右脚の痛みが出たり、肉体的なこととかね。それより、やろうとしていることができているかどうか、なかなか感じられないのがつらい。今までやって一番良かったと思うことは、肉体的に鍛えていくことが先決と思ってやってきたこと。俺の年齢的にいえば、よく中高年に勇気を与えるって言われるんだけどね、そういうのって俺は好きじゃない。それは誰でも意外と簡単にやれることだと思うし。俺は勇気というより感動を与えることが、自分の使命だと思ってる。まあ、たいした感動はまだ与えてきていないんだけど(苦笑)。でもまあ、勝負としては面白かったけどな。やってるほうはつらかったけど」

------18番でドライバーを持ったのは、やはり“美学”ですか?

「最初はスプーンで確実にって思ったんだけど、やっぱりここでドライバーが打てないと、マスターズにいけないんじゃないか?(記者一笑)いや、ほんとほんと、そういう気持ちだね。今日のピンは、2段目だったから、スプーンで打っても、第2打をミドルアイアンで打てるってわかっていたんだけど、それでも、この試合のティショット、ドライバーがイマイチだったので、最後まで、そういう印象で終わりたくなかったし、最後はドライバー握って、真っ直ぐ打つ、ということが自分の目指していることだからね」

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