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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/22号
2002年更新
若手が育ってない? 意外や今季男子
ツアーでは日本人初優勝者は未だゼロ
 国内男子ツアーも終盤に入り、今後の興味は賞金王レースとシード権争いに移ってきたが、今年はもうひとつ、行方の気になることがある。実はここまで、日本人選手のツアー初優勝者が出ていないのだ。

 10月6日現在、ツアー初優勝選手は、S・K・ホ(韓国)とC・ペーニャ(米国)の2人だけで日本人選手はゼロ。ツアー後半戦は出場人数も限定されるため、ますます初優勝の可能性は低くなる。今季は異常事態と言わざるを得ない。この5年間は初優勝者が出やすい状況だったというわけではない。

 日本人初優勝者が多かった97年はジャンボ尾崎が賞金王で5勝、丸山が2位で4勝を挙げた年。これに招待選手を含めた外国人の11勝を合わせると20勝で、残り16試合(当時は36試合)のうち実に9試合を日本人初優勝者が占めていた。今季はここまで、佐藤信人と谷口徹がそれぞれ3勝しているが、比較的優勝への門戸は広いのに、日本人初優勝者が出ていないのだ。

 その辺の事情について、JGTOの競技ディレクター、山中博史氏は、「ここ数年予選通過のカットラインの上昇が示すとおり、ツアー全体のレベルが上がっている。設定が難しくなるほどベテランが有利。近年の道具の進化で飛距離などベテラン勢の体力面の不利はカバーできるようになり、パワー頼みの若手、とくに心理面で劣る優勝未経験者が勝てなくなった。ジャンボ、中嶋、湯原の復活はその象徴」と分析する。

 たしかに初優勝の平均年齢は97年は29.4歳、98年は26.6歳、99年は29.7歳、00年が34歳、01年は33.3歳と年々上がっている。ただ、現在ツアーの中心選手の初優勝時の年齢は伊沢27歳、谷口30歳、片山25歳、佐藤信人27歳と、真の実力者はこの年齢で初優勝を果たしている。その意味でも、25~30歳の選手が、今シーズン初の初優勝者となる鍵を握っているといえるが、現在その年代の選手といえば星野英正がアマ時代に圧倒的に強かった世代。

 星野のライバルといえば近藤智弘くらい。全体的なレベルは決して高くなく、その人材不足現象が、プロのこの世代でも続いているという声もある。

 そんな中、今年のシード内の25~30歳の選手でもっとも初優勝に近いと言われるのがその近藤だ。現在賞金ランク11位、今季はダイヤモンドカップと日本プロマッチプレーで2位に入っている。

「優勝争いを重ね、課題がはっきりしてきた。トップレベルの選手と比べ、気持ちの緩みが出たり、4日間戦う体力、技術が不足するなど心技体でまだまだ足りない部分が多い。技術面では、上位になるほどパッティングの差が勝敗を分けるので、自分はそこが大きな課題(平均パット数29位)。タイミングが合えば勝てると思うが、ただ勝つのではなく、そういった課題をクリアして狙って勝てるレベルに早く到達したい」と近藤。今季は米ツアーのQスクール受験を表明しているが、初優勝と米ツアーのどちらに照準を合わせるかが注目される。

 本人は「日本で優勝したり、賞金ランク10以内という明確な自信を持って行きたいという気持ちも湧いてきた」と現在、思案中。残り試合で初優勝を飾り晴れてQスクール受験となるか。他の有望選手は現在18位の平塚哲二(30)と24位の宮里聖志(25)の2人だろう。

「これまで秋の試合では成績が出せなかったが、今年は何とか」(平塚)、「弟の優作より先に優勝をしたい」(宮里)と優勝へ意欲を燃やす。

 さて、残り8試合で日本人初優勝者は出るのか? そんなポイントもツアーの見所だ。

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