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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 10/29号
2002年更新
今年の日本女子OPの優勝スコアは14アンダー
昨年の14オーバーが28打も縮まった原因は?
 昨年は“史上最難”のコースセッティングで優勝スコアが過去最多の4日間14オーバーとなった日本女子オープン。今年はうって変わって、過去最少の14アンダーでコウ・ウスンが優勝という幕切れに。その差なんと28打、1日平均でも7打という差が出た同大会の裏側に、何が起こっていたのか。

 JGA(日本ゴルフ協会)が国内女子の最高峰と掲げるこの大会。今年の初日は、メキシコから初参戦のロレーナ・オチョアが65(パー73)の大会史上最少スコアを出すなど出場132人中の45選手がアンダーを出すという異常現象に。昨年は2アンダーをトップに、初日のアンダーは6人。わずか1年でそれほど選手全体のレベルや道具による急激な進歩があったとも思われず、その差はどう見ても昨年と今年の開催コース状況、セッティングによるものだった。

 今大会1カ月半前の記者会見で、川田太三JGAオープン実行委員会委員長が「不幸と不運が重なった完全な失敗」と認めた昨年のコースセッティングは、大会1カ月前に降り続いた雨とヒョウによる被害からフェアウェイ、グリーンに「やむを得ず」ローラー掛けを行ない、まるでコンクリートの敷き詰められた状態になってしまった。加えて強風が吹き荒れ、ゲームは散々……選手、関係者の間でも“語り草”となり、女子プロの間でも「これまでこの大会を日本で最高の試合と思ってきたけど、こんなセッティングでは挑戦意欲も沸かなくなる」「今や日本女子プロ選手権は岡本(綾子)さんのセッティングで年々素晴らしい状態になっているし、そっちを最高峰と考えている」という声から、果ては「オープンは所詮アマチュアがセッティングするアマチュアの大会」という乱暴な発言まで聞こえてくる始末。オープンより女子プロ選手権に重きを置くという風潮が漂い始めてもいた。

 それを知ってか、JGAもさすがに今大会には“威厳回復”をかけて臨んだはず。昨年の開催地が北海道・室蘭、今年が神奈川・箱根、という交通の利便性も手伝い、昨年以上の入念な事前コースチェックが行われていたのは明らか。フェアウェイ幅も例年より広くし、グリーンも“止まって速い”最高の状態。おまけに4日間続けての好天にも恵まれ、選手にとっても「大会直前に台風があったのに最高のコンディション。これだけ一生懸命コース作りをしてもらったら、あとは私たちプロの腕の見せどころって感じです」(不動裕理)という舞台だった。

 加えて「去年の(大会の)状況を経験すれば、たいていのセッティングは易しく感じますよ」というのが、選手たち大半の声。さらに、昨年の状況の中で「すべては世界に通用する選手を育てていくため(の厳しいセッティング)。状況に選手が対応できなかった」とした溝口まち子大会競技委員長の発言も、プロたちを刺激し「きちんとしたセッティングなら私たちはプロのパフォーマンスが見せられるんだ」といった“女の意地”を煽った様子。

 前出の川田氏は「1日2アンダー、4日で8アンダーの優勝スコアを想定していましたが、そうそうピッタリとはいきませんよ。大会前の雨でグリーンが柔らかくなっていたのと、風が吹かなかったのが好スコアの要因でしょう。ただ、今回は優勝者のゴルフを褒めるしかないですね。3位タイのスコアは7アンダー、優勝スコアの設定はそう外れていたとは思わないのですが」と話すが、さて、JGAの威厳はどこまで回復されただろうか。

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