週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
------シード確定までの気持ちの変化を教えてください。 「ペンシルベニア(9月中旬)の7位タイで50万ドルを超え、これで左ウチワだなって思ったんです。周囲の情報では50万ドルが目安になっていましたからね。でも、翌週の成績は振るわず、翌々週にオフを取ったら、賞金ランクが5つも下がった。正直、焦りました。で、ミケロブでは予選さえ通ればシードは確定できると思ってましたけど、練習ラウンドの調子は最悪。でも初日から首位に立ち、結果的には14位タイでしたけど、これで完璧に左ウチワになりました」 ------シード確保を具体的に意識し始めたのはいつ頃から? 「全米オープン以前は、目先の成績を考えるので精一杯でした。シード権を意識したのは7月頃からです。1度でもポンと上位に入ればいけるはずなのに、最終日に崩れちゃったりして歯痒かった。でも、そんな流れを変えたのはレノタホオープンから使い始めたテーラーメイド510ドライバー。宣伝じゃなく正真正銘そうだった。ずっと連戦で体はクタクタで歩くのもやっと。あのドライバーはそんな体で軽く振っても絶好調時の飛距離が出るんですよ。だから、まっすぐ打ちさえすれば大丈夫と思うことで、自信も出るし、気も滅入らない。ゲームも組み立てられる。シードを目指して頭はイケイケなのに体はもうクタクタ。そのアンバランスをつないでくれたドライバーの効果は大きかった」 ------歯痒い思いをしていた頃、焦って練習量を増やしたりはしなかった? 「いいえ、逆に減らしました。シーズンはじめは焦って意味もなく球を打ち、ダラダラとアプローチ、パットをやっていたなとあるとき思い、それからは体を休めることを優先しました」 ------体調管理は? 筋力トレーニングもやっている? 「僕は体が固いし、連戦で疲労も激しいので、今は体をほぐしたり休めたりが先だと、トレーナーも言っています。もっとも、パワフルなアメリカの選手たちの中で、パワーばっかり追いかけてはいけないと思って、今年は筋トレよりも、ホテルのプールやジャグジーでリラックスに努めました。プールって言っても、僕はカナヅチなので、水につかっているだけですけど(笑)」 ------英語力は上がった? 「マネジャーに頼っちゃうし、キャディは日本語で話してくれちゃうので、なかなか(笑)。聞き取るのは随分わかるようになったけど言葉が返せないので、仲良しの選手もできない。もう少し会話が成立すれば楽しいんでしょうけどね。だけど、英語ができないことがプレーに影響を及ぼすことはないですよ」 ------心の支えになっていた人はいる? 「やっぱり(個人)事務所の社長ですね。『シードがダメならダメで日本でやればいい。あのときと一緒だよ』って、僕が日本のプロテストに落ちた頃のことを思い出させてくれた。励みになりましたよ」 ------日本にはいつ以来帰っていない? 「6月末ですかねえ。でも日本が恋しいなんて感じませんでしたから(笑)」 ------来年も拠点を置かずにホテルを転々とする? 「今、検討中です。飛行機の乗換えの便利な場所がいいのか、テーラーメイドのテストセンターがあるカリフォルニアのほうがいいのか。アメリカは広いから、住む場所を決めるだけでも、ホントに難しいですね」 ------今後の予定、目標は? 「賞金ランク70位以内に入れば、来年の待遇が変わるんです。いいスタート時間が取れるし、オフィシャルカーなんかの割当ても増える。だから、ラスベガスからの残り3試合で賞金ランク70位を目標に頑張ります」