週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
吉本興業グループの子会社で、主にITを活用したマーケティング事業を行う「(株)なんでやねん関西」では、これまでインターネットのポータルサイト「なんでやねん! KANSAI」(同名のフリーペーパーも発行)を企画運営。ネットや誌面を通じてイベントやショップの情報を発信したり、会員を組織して物販や割引など様々な会員サービスを展開してきた。 その会員サービスの一環として、この10月からカード会社のジャックスと提携し年会費1万円の「ゴルフアイランド倶楽部カード」を発行。そして、今月からカード会員を対象に「なんでやねん関西」提携のゴルフ場を特別料金でプレーできるサービスを開始した。 その第1弾が、現在ゴールドマンサックスがスポンサーとなって再建中のスポーツ振興グループの13コース。同グループから毎月2回、2コースずつを選定、各コース10組限定で平日3980円(プレー代のみ)の破格料金で提供しているのだ。 ちなみに今月は、5~8日で亀岡スポーツ振興GCと泉佐野CC、20~30日の平日で奈良スポーツ振興CCと加西CCが対象になっている。 「今後も提携コースを増やし、同様のサービスを展開していくつもりです」(ゴルフアイランド事務局) こうしたビジター誘致企画は、再建中のゴルフ場相手のほうが持ち込みやすいようだ。同じく民事再生を申請した鳳鳴CC、ベルグリーンCCでの実施も決まっている。 ところで、「なんでやねん関西」が企画しているのは料金サービスだけではない。吉本の企画力や人脈を活かしたゴルフ大会(12月10日、阪神タイガースの檜山選手をゲストに迎えたコンペの開催を予定)や、さらには、「人気ブランドのミエコウエサコとは以前から提携しているのですが、会員が提携ゴルフ場で同ブランドのウェアやグッズを提示すれば、会員料金からさらに割引く企画も予定しております」(同事務局)というように、さすが吉本、ユニークなアイデアが次々と実施されようとしている。 「こうした時期ですから、ゴルフ場は元気がないところが多いじゃないですか。とくに平日の営業には頭を痛めていると聞きます。それなら、ゴルフ場にもうちの会員さんにも、ともに喜ばれるアイデアはないかと考えたんです」と同社の担当者。 未知のゴルフ場も一度行ってプレーすれば利用者側は安心し、それ以降は申し込みやすくなる(と同時に、ゴルフ場側も安心して受け入れるようになる)。だから、とにかくゴルファーに一度プレーしてもらうことから始めてみようという考えだった。 一方、提携した側のスポーツ振興は「今回の3980円プレーは『なんでやねん関西』さんから提案された企画で、ビジターフィとの差額はあちらさんの負担ですから……。しかし、お客さんを呼べる企画なら、従来の営業のやり方にとらわれず、今後も新しい可能性に挑戦していきたいと思います」と語る。 とはいっても、今や吉本興業といえば、お笑い芸人を抱えるプロダクションにとどまらず、テレビ番組制作を始め大衆娯楽のソフト製作では並ぶものがない存在。まずは、吉本の新しい試みに期待したい。