ゴルフダイジェスト出版案内> BACK9
 

週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 11/26号
2002年更新
ここ2~3週間でゴルフ場会社続々倒産!
来年の再生法改正睨んだ駆け込み申請か?
 10月半ばからゴルフ場経営会社の倒産ラッシュが続いている。ゴルフ場の倒産は今や珍しくないとはいえ、関係者の間でもここまで集中するのは尋常ではないとの声が上がっている。

 この倒産ラッシュ、15日に城南GC(東南産業(株))、16日にはアルツ磐梯メローウッドGC(磐梯リゾート開発(株))、18日には大手のSTT開発(株)、また、11月6日にはノースショアCC北浦コースがこぞって民事再生手続き開始を申請している。

 しかし、申立の直接の引き金になった原因を見ていくと、それぞれに事情は異なるようだ。

 実はこの倒産ラッシュの流れは9月末頃から始まっている。東京三菱銀行系列の霞山CC((株)ジャパンセントラルコロシアム)が9月25日に民事再生手続の開始を申立てているし、10月18日に特別清算を申請した鳴沢GCも三菱信託銀行系列。

「中間決算発表を11月に控え、三菱グループとして積極的に不良債権処理を進めている姿勢を打ち出しているのでは」と現役の大手都銀回収担当は見る。決算絡みといえば、河合楽器系列の三木の里CCもそれにあたる。

「株価低迷の原因にもなっていた、ゴルフ場経営子会社の問題に区切りをつけ、同じく11月中に予定されている中間決算発表に臨みたかったのでは」(同)。

 STT開発も預託金問題は発生しておらず、銀行との協議で申立に至っており、「この時期に申立をしたということは銀行の決算絡みと見ていい」(同)。

 一方、決算など関係がなさそうなRCC絡みの申立がアバイディング(株)と土浦開発(株)。後者はRCCから会社更生手続の開始申立を受けたし、アバイディングは債権者である(株)ヒルクレストゴルフクラブから民事再生の申立をされたわけだが、このヒルクレストの主たる債権者はRCCだから、事実上RCCの意向による申立と見ていい。

 同じく決算には関係のなさそうな外資絡みの申立では、ローンスター系列の赤坂レイクサイドCCと10月3日に民事再生法を申し立てた大日向CC(大日向森園開発(株))。今年8月に東京三菱銀行系列からローンスター系列に移っていたので、東京三菱銀行の処理はここから始まったと見る向きもある。

 このほか、ノースショアCCは、株主会員制への移行を計画していたが、約2年前に主力金融機関がムーアキャピタルに債権を売却して以降は交渉が難航、しかも今回突然ムーアが撤退の意向を明らかにしたため、急遽申し立てに至った。

 純然たる預託金問題が原因のケースもある。立科芙蓉CC((株)タテシナ)は、金融債務がなく負債は預託金債務のみ。延長で8割強の賛同を得ているが、合意しなかった会員からの預託金返還請求訴訟に敗訴、会員間の公平を図るために申立に至った。有馬ロイヤルGCなどを経営する兵庫開発(株)、(株)レジェンドも、過去、預託金は分割返済に応じてきたが、限界に達したことから申立に踏み切った。

 来年に償還期到来を控えている香取CC、ダイヤグリーンCも負債は預託金のみ。

「申立ラッシュの時期にぶつかったのはたまたま」(同社代理人弁護士)。

 ところで、ゴルフ場問題に詳しいある弁護士は“もうひとつの原因”も指摘する。

「来年4月には会社更生法と民事再生法の改正が予定されているが、これがどう変わるのか今まったく読めない。万一、今よりも条件が厳しくなったりすると面倒なので、申立を考えていたコースは改正の前に駆け込みで申立を急ぐ傾向にある

 帝国データバンクによれば、ゴルフ場経営企業の倒産件数は、今年1月~9月までですでに72件、負債総額にして1兆2299億円に達しているという。

「10月1日から11月5日までの段階でも概算で14件、7733億円発生している」(情報部・阿部成伸氏)という。

 今後も断続的に倒産ラッシュが続く可能性は高い上に、外資の一部には早くも撤退の動きまで出始めた。

 めまぐるしく変化していく業界環境に翻弄されないためにも、会員にはますますしたたかな判断力が求められていくことになりそうだ。

バックナンバー

最新号はこちら

週刊ゴルフダイジェスト最新号

アクセスランキング

  • 月刊GD
  • チョイス
  • みんなのゴルフダイジェスト
ゴルフ会員権情報
ゴルフダイジェストの会員権情報です