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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 12/10号
2002年更新
女子ツアー界では来週ファイナルQT実施
プロ資格ないツアーメンバーが続々誕生
 日本女子ゴルフ界に新しい形のツアープロが“誕生”した。今年から導入されたクオリファイングトーナメント(以下QT)は、11月上旬にセカンドQTまでを終了、12月2~5日のファイナルQTで来季ツアー出場の優先順位が決定する。そのためファイナル進出が決まった選手は事実上ツアーメンバーとして登録できるわけだが、その中にはプロテストに合格せずにQTからツアープロになる初の選手が大勢含まれている。

 正式には、エリエール女子オープンが終わり、シード選手が確定した時点(11月24日)で、ファイナルQTに進める180選手が決定するのだが、すでにセカンドQT終了時でファイナルQT出場の枠はほぼ固まっている。現状では前述のプロ協会会員でない新しい形のツアープロは、厳密に言えば全員がファイナルQTに出場し最終的にメンバー登録をすればだが、今年の日本女子アマ覇者の上原彩子をはじめ23人となりそうだ。

 これまでプロとして国内女子ツアーに出場するには、海外のプロライセンス保持者以外は、必ずプロテスト合格の関門を通ることが必要だった。その過程でプロでもアマでもない“研修生”というグレーゾーンが発生、プロ、アマどちらの試合にも出られないという問題が生じていたが、QT実施でこれがかなり是正されることにはなった。

 とはいえ、問題点がないわけではない。従来はプロテストに出るための研修会に申し込んだ時点でアマチュア資格を失っていたのが、今年の改定でファイナルQT終了後、ツアーメンバー登録をするまではアマチュア資格を保つことができるようになった。しかし、ツアーメンバーになる前に海外の試合などで賞金を稼いだ選手は、国内ではアマチュアとしてもプロとしても扱ってもらえない。

 例えば、主催者推薦でさえ「日本女子プロ協会の会員のみ、セカンドQTにエントリーした時点で年間8試合以内なら推薦出場できるが、それ以外はツアーメンバー登録者かアマチュアのみ」(日本女子プロゴルフ協会事務局)と資格がなく、国内ではプロでもアマでもない以前の研修生同様のグレーゾーンの立場を余儀なくされる。

 ちなみに男子では、ツアーメンバー外の推薦出場はセカンドQT以上の出場者と、当該年度と前年度から過去4年間の規定の成績(日本アマ、日本学生、日本オープンローアマのいずれか)を収めた者は、1年間に限り主催者推薦での上限6試合(ツアーメンバーは8試合)の出場が認められている。例えば宮里優作が今すぐプロ転向してスポンサーがOKすればすぐにプロとして大会に出場、獲得賞金次第ではQTなしでシード権を得ることも可能だが、女子ではこうはいかないということだ。

 ファイナルQT進出者の中で2000年から欧州ツアーに参戦、すでに今季優勝の経歴を持つ高梨カンナに話を聞いた。

「私もプロテストは何度も受けていますが、欧州での試合との関係もあり、日程の問題などで今年は受けませんでした。QTができたことで、プロライセンスを持たない私たちも試合に出られるようになったのは嬉しい限りです。当面はツアーで賞金を稼ぎたいのでプロテストを受ける気持ちはありません。もし、必要になればまた考えますが」と当面QTに重きを置くという。ツアープロを目指すならこれが普通の考え方だろう。

 また、ツアー出場権を試合での獲得賞金によってシーズン途中でシャッフルするリランキング制度についても、来年度は予定されていないなど、何かと不備が目立つ新生・女子ツアー制度だが、「まずやってみて軌道に乗せることが大切。主催者推薦の資格についてもスポンサーさんからの質問も多く、意見も出ているので、やがて何らかの形で変わるかもしれない。リランキングの問題も含め、まだ改善の余地は多い」と協会も言う通り“とりあえず”の船出。

 ともあれプロ協会会員ではない新しい形のツアープロが誕生することは事実。このQT制度が女子プロ界活性化に向け、いい方向に役立つことが望まれる。

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