週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
ゴルフ場業界初のギフトカード「全国共通ゴルフ場利用券」の商品化と販売に乗り出したのは、東京の企画会社(株)ドリーム・エックス。同社は1年前から全国のゴルフ場に同ギフトカードへの加盟を呼びかけ、その数が約500コースまでになった先ごろ、とりあえず同社のネット(http://www.golfgift.jp)を通じて一般への販売を始めた。価格は1000円、5000円、1万円の3種類で、百貨店の商品券と同様、利用者の負担はなく、額面の金額を現金と併せて支払いに使える(換金は不可)。同社では目下、販路の拡大に当たっており、来年早々にはスポーツショップでも売られることになる見通しとか。 また、利用できるゴルフ場も、「現在、全国の1400コースに資料を配布しており、来春には1000コースに近づく手応えを感じています」(同社担当・中島洋幸氏)と語る。 もう一点、現在のところ、このギフトカードを使用する場合には、あらかじめ同社の予約センター(電話とネット)で予約を取ってからのプレーでしか使えない。だが、これも年内には予約は関係なく、全加盟コースで精算の際に、現金と同じように使用できるようになるという。どうやら来年早々には、かなり使い勝手のいいギフトカードになりそうだ。 ところで、全国のゴルフ場で使用できるギフトカードって、これまでにもあったような気がするのだが……。 「いえ、実際に調べてみたんですが、JTBさんのレジャーギフトカードの使えるゴルフ場が100カ所ほどあるだけで、『スポーツギフト券』も有名カード会社のギフトカードもほとんど使えません。もともと支払いに使う人はほぼ皆無なので、ゴルフ場さんもわざわざギフト券の契約まではしていないのでしょう」(前出・中島氏) それゆえに思いついたビジネスチャンスなのだろう。また、ギフトカードの市場は約1兆円あり、その多くは企業の贈答用。一方、1兆5000億円規模といわれるゴルフ場市場も、まだまだビジネスユースは少なくない。つまり、ギフトカードの購入者と重なるわけだから、企業に向けてコンペの賞品として、あるいは贈答用として、需要があると踏んでの商品化だった。 ありそうでなかった「全国共通ゴルフ場利用券」だが、「広く浸透するには、ユーザー側にすれば額面より安く購入できる、つまり金券ショップに並ぶほどの流通量になること。ゴルフ場側からすれば、それだけ精算の手間が増えるわけですから、それをカバーするだけのメリットを確かなものにする必要がありそうですね」と指摘するのはゴルフ場経営アドバイザーの菊地英樹氏。 金券ショップで割引ゴルフ券が買える日が待ち遠しい?