週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
5月のダイヤモンドカップで中嶋常幸が7年ぶり、8月のKBCオーガスタで湯原信光が10年ぶり、9月のANAオープンでジャンボ尾崎が2年ぶりの優勝。ベテラン勢以外では久保谷健一が5年ぶりに日本プロで復活優勝、余勢を駆い翌週も勝ち2種連続Vを達成した。 海外挑戦組の日本復帰戦での活躍も目を引いた。シーズン終盤で03年の米ツアーシード権を確保した田中秀道は気分よく帰国、いきなりVISA太平洋で2位に。03年の米ツアーシード権を失った横尾要は、タイガー、デュバル、ガルシアら世界のトップが大勢出場したダンロップフェニックスで見事優勝、技術と精神面での成長を見せた。 復活・復帰劇の裏で、01年は2億円を超える歴代トップの額で賞金王となった伊沢利光が、02年は未勝利でランク10位に後退、「アドレスの向きのズレとパットの不調が主な原因だった。それにひとつ上のゴルフを目指して攻め方を変えたこともあり、この成績は予想していたこと」と言う伊沢だが、丸山茂樹と組んで出場した先のEMCワールドカップ(メキシコ)で、45年ぶりに日本に優勝をもたらした。チーム戦とはいえ、この快挙達成が03年活躍の起爆剤になることを期待したいものだ。 一方、02年の賞金王レースは谷口徹が1億4544万円と、ここ数年では99年の尾崎直道の1億3700万円以来の低い額での賞金王に。直道がその年は日米ツアー掛け持ちだったことを考えると、谷口の獲得賞金額の低さは否めない。しかし、これには、右顔面麻痺や体の倦怠を訴え緊急入院、最終の2戦を欠場したことが影響している。現在も療養中というが、03年ツアーでの早い復帰が待たれる。 02年は外国人選手の初優勝者こそ多かったが、日本人では結局ゼロ。ツアーの活性化を考えると深刻な問題だ。そのカギを握る1977年生まれ組の近藤智弘、宮里聖志、矢野東、星野英正らが初シードを獲得、この中から初優勝が出れば……。 03年ツアーは1試合減で、賞金総額も減額、さらにツアー全体の冠スポンサーだった(株)イーヤマが撤退。やはりタイガーのようなスーパースターの登場が待たれるところだが、03年は大物新人・宮里優作が、大学卒業をメドに03年早々プロデビューする。アマの大会での実績で推薦で6試合、02年の試合で10位以内に入った2試合の計8試合が出場可能、優勝すればもちろん、成績次第ではいきなりシード権獲得もあり得る。 ただ、本人は「03年はアメリカのQスクールにも挑戦したい」と早々と米ツアー挑戦を表明、若い世代の米ツアー流出はもはや避けられない流れなのか。 また、話題といえば、03年からの導入が確実視されている高反発ドライバー規制の影響だ。高反発ドライバーで飛距離アップした選手にとっては痛手だが、逆に生来の飛ばし屋といわれる選手にとっては、復活の年となるかもしれない。