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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/7・14号
2003年更新
藤井が最終戦まで猛追も賞金女王は
3年連続不動、韓国勢は公式戦独占
 不動裕理が、樋口久子、ト阿玉に次ぐ史上3人目の3年連続賞金女王に輝いた02年国内女子ツアー。最終戦までもつれ込んだ賞金女王争い、QT(クォリファイングトーナメント)制度導入に伴いシード権の攻防も史上稀に見る激戦となった。

 3月の開幕は藤井かすみのツアー通算2勝目でスタート。が、近年のツアー日程上、この開幕戦から第2戦までの約1カ月が空き週に。そして、仕切り直しの開幕後、第3戦ではト阿玉が9年ぶりのツアー通算71勝目。この後、序盤戦は第12戦のベルーナレディスで藤野オリエがシーズン2勝目を挙げるまで、毎週優勝者が入れ替わる混戦模様。2週連続Vなどが相次ぎ、一定人数の上位選手が交互にV戦線の主役となった01年と大きく違った点で、中でも6月のリゾートトラストでノーシードの我妻こずえが突然の初Vを果たしたのは“戦国時代”の象徴的な出来事だった。

 初優勝の数に負けず、復活Vも多く、トの優勝以降、シード落ちしていた西田智慧子、久保樹乃、板東貴代らが続けざまに優勝、シード復帰。シン・ソーラも故障から立ち直るカムバック勝利を果たす中、6月下旬、アピタ・サークルKでの高橋美保子の初優勝は、久々の新風を吹き込んだ。現女王・不動より若い選手の台頭がなかった昨今。初めて不動より年下の高橋が勝利をものにしたのは、02年ツアーの大きな収穫だろう。

 賞金女王レースは夏場まで久保がリード。そこに5月、あのカリー・ウェブを振り切ってシーズン初勝利を挙げた不動が続いていたが、“得意月間”の8月、4戦2勝の不動が一気に逆転。他に水をあけ、9、10月にも各1勝ずつを挙げた。

 これを激しく追い上げたのは藤井。最終的には不動に及ばなかったが、自己最高の賞金ランク2位となり、03年の米メジャー挑戦など、さらなる活躍が期待されている。

 さらに、ツアー後半戦のメジャー3大会は、ク・オッキ、コウ・ウスンの韓国勢が完全制覇。最終戦翌週の日韓対抗戦でも3回大会にして韓国が圧倒的大差で初勝利、米ツアーに押し寄せる韓国勢のビッグウェーブは日本女子ツアーをも激震させた。

 シード攻防も激しく、過去最大14人が入れ替わった。今季初シードの1人、瀬川佳世は開幕前の右足舟状骨疲労骨折が響き、1試合も出られず。対照的に大山志保、西塚美希世ら8人が初シードを獲得。特別シード権を持つ岡本綾子、中野晶、村口史子らが賞金シードを逃すという異例の現象も起きた。ツアー終了後、02年から導入されたファイナルQTでは、高梨カンナら日本でのプロ資格を持たないまま03年の出場権を初めて手にした選手も誕生した。また、1年でシード権を失った東尾理子は上位通過ならず、03年ツアーは人気者を1人欠くことになった。

 新制度下で始まる03年LPGAはどんな変貌を遂げるのか。

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