週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
1減1増の内訳は、ヴァーナルオープンの中止とスタンレーレディスの復活。まず前者だが、スポンサーのヴァーナルは5月に「レディース」、8月にこの「オープン」と年間2試合を主催。それぞれ賞金総額が1億円と8000万円という大スポンサー。しかし、高額であるがゆえに、中止の背景には同社の経営上の問題もささやかれた。 「確かにコスト面での見直しがあったことは否定しませんが、それよりも日程が大きな理由でした」(大会事務局) というのは、両大会の間が3カ月と短いため、社内の関係スタッフに大きな負担がかかる。また、PR効果の面でも「ついこの間、あったばかりなのに……」という印象を与え、効果が小さいと判断されたからだ。 「それで、実は昨年から真夏の大会を秋、できれば賞金女王争いを大きく左右する終盤に移してもらいたい(賞金総額も大きいため)と要望していたのですが……」(大会事務局) 結局、その調整がつかず中止に。だが、同社では希望の時期に開催できるのならば復帰したいと語る。 その復帰を10年ぶりに果たすのがスタンレーレディス。ツアー競技の復帰は珍しいことだが、同社の場合、当初から数年での復活が伝えられていた。というのも、降板は経営上の問題ではなく、周囲の経済状況に配慮しての自粛だったからだ。同社では、10年ぶりの復活の理由を「この厳しい経済環境下、当社の力強さをアピールすること。また、ゴルフを通して、一般へのPR効果、認知度を高めたい」(同社・経営企画室)と語るが、同時にそれまで築いてきた「ゴルフ界をサポートする企業」のイメージが消えないうちにとの思惑もあったようだ。 もうひとつ、今後の成り行きが注目されるのが、「スポニチ・IMGインターナショナル」(仮称)。同大会は、昨年までは日米両LPGAの特別公認競技として開催。ところが今季は大幅に遅れている米側の日程発表(今月14日)まで、従来通りに実施できるのか分からない状況。そこで、「米LPGAの特別公認にならない場合には、国内の公認競技として、国際色の濃い、新しい試合に衣替えをしたい」(企画運営のスポニチサービス)という暫定的発表。 多少先の見えない部分もあるが、日程の変動は少なく、大筋では安泰ムード。気がつけば、賞金ランク対象の試合数は、昨年から男子を上回っている。女子ツアーの環境は一時の危機を乗り越えて落ち着いた?