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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/21号
2003年更新
名門・小金井CCが5000万円で補充募集
49名のうち何人集まるか会員権業者が注目
 名門・小金井カントリー倶楽部で、開場以来、初めての補充募集がいよいよ始まった。バブル期は相場が4億円を超え、“最も高い”会員権として知られた首都、東京の名門倶楽部の会員募集だけに、その成否は今後の日本の会員権市場に、大きな影響を与えそうだ。

 今回の募集は昨年、室伏稔理事長(小金井ゴルフ(株)代表取締役兼務)が、会員宛ての年頭挨拶文書で構想を明らかにしていたもの。老朽化したクラブハウスの拡張工事、グリーン改造を理由に、その後3月27日の会員総会で正式決議されていた。

 昨年、12月17日の官報によれば、この補充募集の申込み期間は12月25日から今年の1月末日まで。募集定員は49名で、募集金額は5000万円。内約は入会金が1200万円、3800万円が株式取得代となっている。現在、会員は正会員402名、平日会員17名。正会員については、直前まで市場で3500~3600万円前後で取引されており、それに加え入会金が1200万円が必要だが、今回の募集金額は相場を眺めながら、株価を時価として決定した模様だ。入会資格は35歳以上の日本人男性で、在籍3年以上の正会員2名の推薦のあること、プレーをする者であり、理事長と常務理事による面接がある。

 通常、会員制ゴルフクラブでの補充募集は、会員権業者が代行するケースが多いが、小金井CCでは倶楽部そのもので受け付けている。また補充募集に伴い、市場で流通する株式の名義変更については従来通り行うが、倶楽部への入会申請については昨年の12月16日から3月31日まで停止している。

「発表後、何件か問い合わせがあることも事実ですが、まだどれくらいの応募があるのか予想がつかない状況。すでに11月末からグリーンの改造工事も始まり、クラブハウスについても基本設計を終えた段階。募集が成功することを信じています」とは募集期間開始直前に聞いた同倶楽部の高梨佑治支配人の弁だ。

 グリーンの改造工事とは、ベント、コウライの2グリーンのうち、コウライをベントに替えるもの。改造は3月末に終える予定で、実際に使用できるのは来年の秋以降になる見通しだ。

 さて、今回の募集について、業界の反応は様々だ。

「この不況下に5000万円を出せる人がどれだけいるか?」と疑問視する向きと「小金井CCの募集が会員権市場の起爆剤になる」との期待論の2つに大別されるといっていい。そうした意見を踏まえ、現代ゴルフサービスの大久保貢社長は「今回の募集が、結果の如何にかかわらず会員権市場に影響を与えるのは確か。それだけに業界としては、たちまち完売、といった形で成功してほしいのですが……」と話す。

 ゴルフ評論家の田野辺薫氏は、「募集内容を見て、少しがっかりした」と、意見は手厳しい。「新規募集で資本金おを増資するのかと思ったら、手持ちの株式の補充募集。しかも全部で500株あるはずなのに、すべて募集しないのは中と半端な気もする。グリーン改造も、本来ベントのワングリーン化にすべきだし、より戦略性の高いコースに改造するとか、首都・東京を代表する倶楽部として、生まれ変わったイメージを伴う募集であれば、もっと高い募集も可能だったはず。さらに、私的自治なので男性限定も結構だが、時代遅れの気もする。増資による女性限定の募集を行い、倶楽部内にもうひとつ女性だけの倶楽部を作るくらいの発想があれば、抱える財政問題も一発で解決したはずだが」

 年間3億円を超える固定資産税の問題、会員の高齢化などによる利用率の低下など、小金井CCも財政的に厳しい状況にあることは確か。今回の募集が、こうした問題を解決する募集として成功することを望みたい。

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