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週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。
内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。

週刊ゴルフダイジェスト 1/28号
2003年更新
今季、日本ツアーでも『0.83規制』導入
R&Aの“不適合リスト”には145機種が
 昨年、英国のR&Aと米国のUSGA間における当初の合意提案内容が、最終決定段階で大幅に変更されたドタバタ劇が話題を集めたドライバーの反発係数(COR)規制問題だが、いよいよ今年からツアープロの世界ではダブルスタンダード状態が解消、世界統一ルールでツアーが始動した。

 この新しい「世界統一ルール」について、今一度おさらいしておこう。これまで米国やカナダ等で採用されていた「0.83規制」、つまり反発係数が0.83を超えるドライバーの使用を禁止する規定が、今年からはR&A傘下の欧州、オーストラレイジア、アジア、さらに昨年暮れギリギリまで態度を保留していた日本を含めた世界の主要ツアーの競技でも適用(日本の女子ツアーは不採用)されることになった。さらに5年後の08年からは「0.83規制」がプロのみならず、日本も含む全ゴルファーに適用されることになるのだ。

 これまで主に米国での販売を前提としてUSGAに提出されたドライバーをもとにUSGAが発表していた「違反ドライバーリスト」に加え、R&A傘下の国が提出したものを含めた0.83を超えるドライバーリスト(ツアー界においては“違反リスト”になる)がR&Aのウェブサイト上で発表されたのは、昨年暮れの12月23日のこと(以後1週間ごと毎週月曜日にリストは更新)。さすがにこれまでR&A傘下では0.83を超えてもルール適合だっただけに、1月6日更新のリストでは、その数は(ロフトの違うものを1つと括っても)モデル別で実に145機種、55社にも上り、その大半は日本のメーカーのものが占めている。

 多いところでは、ブリヂストンスポーツがRV-10シリーズなど9機種、マルマンがエクシムシリーズなど9機種、ミズノが300SIIシリーズなど12機種、テーラーメイドがRシリーズなど9機種、ヨネックスのサイバースターなど9機種の名がズラリと並んでいる。しかも、R&Aに未提出のモデルは当然この中に含まれておらず、日本の市場がいかに高反発ドライバー一色であるかが伺える。

 ただ、いくらこのリストに載っていても、R&A傘下のアマチュアには07年末までは関係ないし、プロが試合で使用するにしても、同じモデル名でもフェース面を厚く調整して反発係数を0.83以内に抑えて選手に支給することになるため、このリストにあるモデル名を使っているからといって、即違反で失格となるわけではない。

 となると、実際にどうやって不適合か適合かを判断するかだが、現在USGAで開発を進めている(試合会場で反発係数を計測できる)簡易測定器が存在しない以上、この“違反リスト”をもとに判断せざるを得ず、本当に公平な判断ができるのかという問題も残る。結局、最終的にはゴルフの基本精神に則り、選手各個人の良心に委ねるしかなさそうだ。

 日本ツアーでは、昨年の終盤戦から、それまでの高反発ドライバーから反発係数0.83以下のものへ切り替える選手もチラホラ見られたが、4月の開幕戦では全員が反発係数0.83以下のドライバーを使うことになる。さて、ツアー側がどこまでチェックできるか? ドライバーの平均飛距離はやはり落ちるのか? ツアー界への影響は興味深い。

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