週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
すでに男子のグレーターハートフォードオープンでは、クラブプロの地区大会に優勝したスージー・ウエーリーさんが7月の本戦への出場を表明しているが、先のソニーオープンでは、13歳の少女ミッシェル・ウィが、同試合のマンデーに挑戦するなど、PGAツアーの一番乗り争い? が活発化している(正確には、女傑ベーブ・ザハリアスが1930年代と40年代にLAオープンでプレーをしているが、68年に現在のPGAツアーが組織されてからは初)。 そんな中、今度はソレンスタムが、「もしどこかの試合が招待してくれれば、ドキドキしながらも『出る』っていうでしょうね」などと発言したことから、話題騒然となったのだ。というのもウエーリーさんは、地区大会に優勝したといっても、レギュラーティからのプレーだったし、ウィはまだ13歳の中学生。この2人が試合に出場したとしても、予選カット間違いないと見られている。さらに、この2人は正規のルートでの挑戦なので、たとえどんなスコアを出そうとも、誰もクレームのつけようがないが、ソレンスタムの場合は『スポンサー招待』。そのためもあり、彼女が本当に男子ツアーでも通用するのかどうかより、まず男子の試合に出場すべきなのかどうか賛否両論が米マスコミを賑わしているのだ。 「彼女(ソレンスタム)がPGAツアーで1度でも予選通過したら驚きだね。彼女が何かに挑戦するのが好きなのは知っているけど、PGAツアーのレベルは彼女が考えているより厳しいと思う」と語るのは同じスウェーデン出身のJ・パーネビックだ。また、かつて公認試合ではないが、スキンズゲームやジョニー・ウォーカーカップで、男子プロと競ったことがあるL・デービーズは、「彼女が予選を通ることは疑問の余地がないでしょう」と予想、さらにソレンスタムなら予選を通るだけで満足せずに優勝を狙っているだろう、とも。 すでに、全英オープンの裏試合のBCオープンがソレンスタムを招待したいと申し出ているが、この週は同じニューヨークで、彼女が毎年必ず出ている女子のビッグアップルクラシックが開催されるので、まだ彼女が招待を受け入れるかどうか定かではない。他の試合といっても彼女は昨年、米女子ツアーで11勝挙げているだけに、前年度優勝者の試合も多く、日程調整が難しい。加えて「自分のプレースタイルに合ったコースでプレーしたい」と当初語っていたように、簡単にはオファーを受けるわけにはいかないようだ。 本人に言わせると、9月初旬のベルカナディアンオープンが「招待してくれるなら出てみたい」とトーンダウンしている。というのも同試合が開催されるハミルトンG&CCは、比較的フェアウェイが狭く、このコースなら戦えるといった心積りがあるのかもしれない。予選も通れないだろうと批判されたためか、あるいは勝つつもりなのか、出場するコース選びには、慎重になっている。 もっとも、ソレンスタムの昨年のLPGAにおける平均飛距離は267ヤード。B・メイフェアが語るように「我々が8番アイアンでセカンドを打つところを彼女は3番か4番アイアンで打たなくてはならなくなる」のだから、恥を掻かないためにも、慎重になるのは当然。PGAツアーにも、S・ホークのように、270ヤードの平均飛距離(ランク184位)でも、上位に来る選手(賞金ランク38位)はいるが、ソレンスタムがどこまで通用するのか興味津々だ。