週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
現在、米ツアーの選手が使用するプロV1シリーズには6種類ある。オリジナルのプロV1、インプルーブド・プロV1、プロV1スター、プロV1ダイヤモンド(プロ仕様で市販されていない)、そして新しい2タイプのニュープロV1とプロV1Xだ。現在市販されているインプルーブド・プロV1とプロV1スターに代わり、日本でも3月1日から発売開始予定だが、これに先駆け、この新しい2種類のボールがツアーの使用率を塗り替えたうえ、予想以上の活躍をして注目を集めているのだ。 「プロV1Xで10ヤード前後飛距離が伸びた」とM・オメーラが語れば、「タイトリスト983Kドライバーとのコンビネーション効果もあるだろうが、プロV1Xで15ヤードから20ヤードは違うはず」とP・ミケルソンが語るなど、皆が口をそろえたように飛距離増を強調している。 実際、ミケルソンと同じ983KとのコンビネーションでE・エルスはメルセデス選手権では323.4ヤード、ソニーオープンでは315.8ヤードもの平均飛距離を出している。ドライバーは異なるが、やはりV1Xを使用したV・シンも平均319.9ヤードを記録、フェニックスオープンで優勝している。シンは昨年、同じフェニックスオープンで、平均297.1ヤードの平均飛距離だったため、条件はボールだけではないにしろ23ヤード近く飛距離を伸ばしている事実は驚きだ。 また、ニュープロV1を使用して、ボブホープで優勝したM・ウィアーは、昨年1年間の平均飛距離280.0ヤード、フェアウェイキープ率66.2パーセントに対し、今年はまだ2試合だけだが、平均飛距離で287.8ヤード、フェアウェイキープ率も73.4パーセントとともにアップさせている。 もちろん優勝するくらいだから、当然ゴルフの調子がいいということもあるがのだろうが、シンやエルスばかりでなく、他の選手たちも大なり小なり、ショットのパフォーマンスを向上させている。 プロV1Xは、「ヘッドスピードが速いプレーヤー向けに開発されたもので、フルショットではスピンがかかりにくく、ショートゲームでは、ハイスピンがかかるように設計された」(G・シーン、タイトリストゴルフボールマーケティング部門副社長)とかで、大きさの異なる7種類の合計332個(従来のプロV1は392個)のディンプルが、これまでにない高いパフォーマンスを引き出しているという。 確かに、これまでの試合は、比較的易しいコースで開催された上に、天候などにも恵まれたが、昨年は平均飛距離で300ヤードを超えたのはJ・デーリーただひとりだったが、今年は現時点でエルスを筆頭に17名もいる。プロV1のせいだけではないのだろうが、一体どこまで用品の進歩は続くのだろう?