週刊ゴルフダイジェスト「BACK9」の内容を、バックナンバーとしてほぼそのまま転載しています。内容は紙雑誌掲載当時のものですので、詳細の状況等は変わっている場合があります。ご了承ください。
キャロウェイではこれまで52~60度まで、2度刻みで全5種類のフォージドウェッジを販売していたが、今月下旬からさらに48度と50度の2種類のロフトバリエーションを加える。その理由を同社のマーケティング担当は「今年から弊社のアイアンセットは5番からPWまでの6本売りが基本になりました。PWはほとんどが46度ですので、次には50度前後のウェッジが必要になります。そのため、その辺りのロフトバリエーションを増やし、ウェッジを自由に組み合わせられるようにするのが狙いです」と説明する。 つまり、アイアンセットのラインナップからの必要性ということだ。反対に、ウェッジのラインナップからバリエーションを増やしたのがフォーティーンだ。プロ、上級者の間にユーザーが多いMT-28ウェッジシリーズは、従来のLW(60度)、SW(58度)、AW(53度)に加えて、昨年12月から48度と42度のPWが加わった。 「SW、AWのユーザーから、同じ感覚(重心深度)で振れるPWを求める声が増えたので、新たに加えました」(同社代表で、設計の竹林隆光氏) それにしても42度のウェッジでは9番Iと変わらない。自社のアイアンセットのラインナップと重なってしまうが……。「初心者はセットで始めますが、今や多くのゴルファーは自由な組み合わせを楽しむようになりました。それでいいんだと思いますよ」と気にする風もない。 同社からは今後も個性的なウェッジが創り出されるのかも。 ところで、こうしたメーカー側の動きを、業界の動向に詳しい片山哲郎氏は、「ユーティリティクラブの普及で、アイアンセットが売れなくなり、例えばミズノがバラ売りもできるようにするなど、セットの内容が見直された。また、ユーザー側も組み合わせを自由に工夫する中で、グリーン周りのクラブの重要性に気付き、軟鉄鍛造のウェッジの人気が出た。すると、それまで“ニッチ”なイメージが強かったウェッジも、メーカーが放ってはおけない重要な存在になった」と分析する。 それにしてもユーティリティクラブやフェアウェイウッドの普及で3番、4番アイアンを抜くゴルファーが増えてきている。そこへもってきて今度はウェッジのラインナップの拡大。バッグの中から従来のアイアンセットの本数はますます少なくなる。